コーヒー一杯で見えてくる、日本の給与水準のリアル—『世界物価マップ2025』から考える日本の未来(読了目安時間 5分)

先週、スイス滞在期間中、チューリッヒの中央駅近くにあるスターバックスで、朝食を頼みました。
カフェアメリカーノとハムチーズクロワッサン。お会計は14.4スイスフラン、日本円で約2,600円。

「高っ!」と思われるかもしれません。でも、現地ではこれが“普通”の価格なのです。
では、なぜこんな価格でも生活が成り立つのでしょうか?

■ 給料で見ると、チューリッヒは東京の3倍
ドイツ銀行が2025年6月に発表した調査レポート『Mapping the World’s Prices 2025』では、世界69都市の物価・生活コスト・給与水準を比較しています。
このレポートを読むと、日本の物価の高さ以上に、「給料の低さ」が浮き彫りになります。
https://www.dbresearch.com/PROD/RI-PROD/PDFVIEWER.calias?pdfViewerPdfUrl=PROD0000000000592089

たとえば、税引後の平均月収は以下の通りです(米ドルベース):
東京:2,592ドル(約37万5千円)/38位
チューリッヒ:7,788ドル(約112万9千円)/2位
その差は実に3倍。つまり、東京の物価がチューリッヒの3分の1で“ちょうど良い”レベルと言えます。
1杯1,300円(7.2スイスフラン)のコーヒーも、チューリッヒの人にとっては「東京の人が433円で飲む感覚」に近いのです。

日本の都市が世界で見劣りする理
でも、なぜここまで差がついてしまったのでしょうか?
このレポートは、そのヒントも教えてくれます。
日本は2000年時点で、物価と給料のバランスで見た「豊かさ指標(PPP)」が世界2位の国でした。
ところが2024年には、なんと20位以上も順位を落としているのです。
世界では、物価が上がるのと同じように給料も上がっています。
でも日本では、給料はほとんど変わらないまま。消費税や社会保障の負担が増えた分、手取りはむしろ大きく減っている状況です。

<過去コラムご参照>
選挙の時期に考えること – kozuka.blog
異次元の少子化対策とは? – kozuka.blog


本当に必要なのは「消費刺激」より「所得アップ」
今、日本に必要なのは、クーポンやポイントのような「消費刺激策」ではありません。
それよりも、一人ひとりの手元に残るお金(可処分所得)を増やすことです。
企業が利益をため込むだけでなく、きちんと社員に還元する。
そうした構造をつくっていかなければ、若い世代は「将来に希望を持てない国」で生き続けることになります。

なぜ、日本の給料はなかなか上がらないのか?
原因はいくつかありますが、私なりにまとめると以下のようになります:

給料を上げるために、できること
では、どうすれば変えられるのでしょうか?

先月、「石破茂首相は平均所得を現在から5割以上増加させるとの目標を参院選の「1番目の公約」に掲げるよう自民党幹部に指示した。」と報道がありました。
公務員の給与を除けば、賃上げは各民間企業の経営者の仕事です。

■ 海外旅行でビジネスクラスを選べる給料水準に
私も経営者のひとりとして、前述の「給料を上げるにはどうするか」を実践しようとしています。
理想はこうです。
自社の社員が、物価の高い国にも気兼ねなく旅行に行き、ビジネスクラスで移動できるだけの給料を得る。

それくらいの“自由と選択肢”がある社会をつくりたいのです。
そしてこれは、遠い夢ではなく、企業が本気で「人に投資」すれば、必ず実現できる目標だと思っています。

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