――英語がつなぐ「仕事」と「世界」
5月4日から、提携先であるZwickRoell のオーストリア拠点、ZwickRoell Fürstenfeldを訪問しています。
今回は、クライアントをご案内する形での訪問であり、視察、技術レクチャー、個別ミーティングなど、非常に密度の濃い時間となっています。
材料試験機という分野は、一見すると極めて専門的な世界です。しかし実際には、航空宇宙、エネルギー、防衛、インフラなど、世界の産業基盤、場合によっては国家基盤そのものを支える技術領域でもあります。
その最前線に触れられる機会は、経営者としても大変刺激的であり、改めて「現場を見る重要性」を実感しています。
今回、クライアント側からは社長に加え、将来を担う若手幹部社員の方々も参加されています。
その若手幹部社員のお二人が、
「今年から本格的に英語を勉強しようと思っています」
と話されていたのが、とても印象に残っています。
私は幸いにも、銀行勤務時代にスイスと米国で、合計約4年仕事をする機会がありました。
その経験のおかげで、英語で仕事をすること自体には、ほとんど抵抗がありません。
もちろん、ネイティブのように完璧な英語を話せるわけではありません。
しかし、海外企業とのミーティング、レストランでの会話、ホテルでのやり取り、移動時のトラブル対応など、「自分で考え、自分で伝え、自分で解決する」ことができます。
これは海外に来るたびに、本当にありがたいことだと感じています。
日本にいると、英語を使わなくても日常生活は成立します。
それ自体は、日本という国の成熟度の高さでもあります。
しかし一方で、世界に出ると、日本人のなかには「英語で仕事をした経験がある人」が決して多くないことも痛感します。
海外企業との商談では、日本側だけが通訳を介しているケースも珍しくありません。
もちろん通訳は重要な存在ですが、経営者同士、技術者同士が、直接ニュアンスを共有できる価値は非常に大きいと思います。
特に技術分野では、
「この温度域ではどうなるのか」
「なぜこの材料を採用したのか」
「この試験条件の背景は何か」
といった細かな感覚的ニュアンスが重要になります。
その時、英語力とは単なる語学力ではなく、「世界と直接つながるためのインフラ」なのだと思います。
今回の出張では、クライアントの若手幹部の方々が積極的に質問し、懸命にメモを取り、英語でコミュニケーションを取ろうとしている姿が非常に印象的でした。
完璧な英語である必要はありません。
大切なのは、
「自分の言葉で伝えようとする姿勢」
なのだと思います。
私自身も若い頃、海外勤務時代には何度も失敗しました。
聞き取れずに困ったこともありますし、言いたいことが伝わらず悔しい思いをしたこともあります。
しかし、その経験があったからこそ、今こうして海外企業との協業や海外でのビジネスに自然体で向き合うことができています。
英語は、試験のための科目ではありません。
世界を広げるための道具です。
そして、その道具を持つことで、人生で見える景色は確実に変わります。
今回のオーストリア出張では、技術だけでなく、改めてそのことを強く感じています。
Photos of Austria





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