――自分自身の“極楽”への道筋を整える
世の中が「新年モード」に切り替わるのは元日です。初詣に行き、一年の計を立てる。その華やかな空気も大切ですが、私の感覚では、本当の意味での一年の始まりは、明日2月3日の「節分」にあります。
「カレンダーの新年」と「身体の新年」
節分は文字通り「節を分ける日」ですが、私はこれを「節を開ける日」でもあると感じています。
現代の私たちは新暦(グレゴリオ暦)で動いていますが、人間の体調や気分の波、仕事のリズムといった「コンディション」の領域では、旧暦が刻む季節の移ろいの方が、不思議としっくりくるものです。
「元日に目標を立てたけれど、気づけば1月が終わろうとしている……」
もしそう感じている方がいても、焦る必要はありません。元日が「社会的なスタート」なら、節分は「生命のリズムとしてのスタート」。ここからが本番なのです。
「鬼は外、福は内」を習慣の棚卸しに
幼い頃から親しんできた「鬼は外、福は内」という掛け声。私はこれを、自分を整えるための「習慣の合言葉」として捉え直しています。
- 「福は内」とは、単に幸運を待つことではありません。感謝の言葉、丁寧な食事、真摯な努力といった、自分を極楽へと導く「良い習慣」を自分の中に招き入れる決意です。
- 「鬼は外」とは、外敵を追い払うことではなく、自分の中に居座る「不満、愚痴、怠惰、慢心」といった、不幸を自ら造り出してしまう心を外へ出す作業です。
まさに節分は、自分の心の中にある「極楽への近道」と「不幸への道」を峻別する、絶好のタイミングなのです。
幸福への近道を歩むために
私は毎年この時期、尾道の大寶山・千光寺に伝わる『極楽・地獄の岐れ路』の教えを読み返します。(私の場合、自宅のトイレに貼っているので、見ない日は無いのですが(笑)) そこには、幸せを掴む人と、自ら不運を招く人の違いが明快に記されています。
社会が決めた新年ではなく、自分の心が「ここから始まる」と決めた日が、本当の新年です。
年初の勢いが少し落ちてきたと感じているなら、ぜひこの節分を「再スタートの日」に選んでみてください。
節を開け、新しい風を通す。それだけで、今年という一年の手触りが、ぐっと確かなものに変わるはずです。
皆さまにとって、良き「節開け」となりますように。


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