初めてのラジオ出演で気づいた「声の力」(読了目安時間:6分)

――Challengers Labo 振り返り

今月18日(日)の夜、全国のコミュニティFMで放送されている「Challengers Labo ~Sound Of Oasis~」に、株式会社東京衡機の代表取締役社長として初めて出演しました。放送を終えて1週間ほど経ちましたが、番組の舞台裏と、あらためて言語化できた自分のパーパスについて、記録として残しておきたいと思います。

MCはシンガーソングライターのカノンさん。
(Instagram:https://www.instagram.com/kanon_crossover/) 
ラジオDJ歴19年、海外で培われた音楽的バックグラウンドを持ち、クラシカル・クロスオーバーの世界で活躍されている方です。事前にプロフィールを拝見した段階で「きっと懐の深いインタビュアーだろう」と感じていましたが、実際の収録ではそれ以上でした。ゲストの言葉を遮らず、けれど放置もしない。話の核を見つけた瞬間に、自然に次の問いを差し込む。そのプロフェッショナリズムのおかげで、緊張感もなく、「話す」というより「対話している」感覚で会話をすることができました。ラジオは声のメディアである以上に、相手を受け止める“間”のメディアなのだと、身をもって学びました。

番組用にエントリーシートを書く過程も、私にとって大切な準備でした。1964年3月9日、広島市に生まれ、旧・富士銀行で金利デリバティブ業務に携わりました。その後スイス・チューリッヒでヘッジファンド運用を経験し、財務コンサルティング会社を起業する――普段は断片的にしか語らないキャリアを、あらためて一本の線として眺め直す時間になりました。「経歴をどう語るか」は、その時点で自分が何を大事にしているかの鏡でもあります。今回の整理を通じて、“金融”から“ものづくり”への転換を、単なる職種変更ではなく、「リスクとテクノロジーの視点を、日本の製造業に持ち込む旅路」と捉え直すことができました。

番組では、東京衡機という会社をどう再定義しようとしているかも、できるだけ平易な言葉でお話ししました。不適切会計への対応やガバナンスの再構築を経て、ようやく「守り」から「攻める製造業」へとフェーズを進めつつあること。そして、試験機というニッチな領域であっても、AI・シミュレーション・データ統合を組み合わせれば世界水準で勝負できる――その確信を共有したかったのです。日本の製造業は「成熟」「低成長」と語られがちですが、現場にはまだ変革の余地があります。試験データを起点にCAEや設計へつながるプラットフォームを構築し、2030年までにグループを新しいステージへ進化させる。その構想を、声で語れたことは自分自身の決意の再確認にもなりました。

CAE(Computer Aided Engineering) : CAEとは、コンピュータを用いて製品開発に必要な物理現象のシミュレーションや解析を行う技術です。これにより、試作品の作成なしに製品の性能やリスクを検証し、品質向上、コスト削減、開発期間短縮を実現します。

今回、あらためて言語化した私のパーパスは、「何を創っている会社ですか?と聞かれたら、『人を創っている会社です』と言える会社にすること。」という一文に集約されます。私たちは試験機やエンジニアリングという“モノづくり”の事業とCAEを中心としたデジタル事業を営んでいます。しかし本質的には、人が育ち、任され、判断し、挑戦できる状態を増やすことが経営の仕事だと思っています。技術や設備への投資だけでは持続的な成長は生まれません。会社の看板を外しても社会から評価される人が増えて、初めて組織は強くなる。そのために、投資・教育・発信を組み合わせ、「人が育つ仕組み」と「外からも評価される人材」を増やしていく。これを自分のパーパスとして掲げています。

さらに、ブログ「kozuka.blog」について取り上げていただけたことも嬉しい出来事でした。普段はテキストで毎週発信している内容を、音声というフォーマットで補完できたのは新鮮でした。文章では伝わりにくい温度感が、声のトーンや間合いでダイレクトに届く。今回の放送が、読者とリスナーをつなぐハブとなり、新しい対話のきっかけになればと思います。

最後に、この機会をくださったカノンさん、番組スタッフの皆さま、そして放送やSpotifyで聴いてくださった皆さまに、あらためて感謝申し上げます。挑戦する人のそばに寄り添う番組に参加できたことは、私自身にとっても大きな励みでした。これからも、技術と知識で豊かな社会の実現に貢献しながら、「人を創る会社」を目指す歩みを、言葉と実践の両輪で続けていきたいと思います。

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