ビジネスでも人生でも、結局は「誰かに応援されるかどうか」で決まる。
贔屓も推しも、そこにあるのは“人の情”という不変のエネルギーです。
京都や大阪で仕事をしていると、「ご贔屓に(ごひいきに)」という言葉をよく耳にします。
これは単なる「また来てくださいね」という挨拶ではなく、「あなたと良い関係を続けたい」という気持ちのこもった言葉です。
どこか人情味があり、相手を思う優しさが滲んでいると感じるのは私だけでしょうか?
一方で、ここ数年、若い世代がよく使う言葉に「推し」があります。
アイドルやアーティスト、YouTuber、さらには企業や経営者までも「私の推し」と言われる時代。
つまり、「誰かを応援したい」という気持ちは、昔も今も変わらず人の心の中にあるのです。
贔屓される人、推される人
では、どんな人が“贔屓される”のでしょうか。
それは、単に仕事ができる人ではなく、「一緒にいると気持ちが明るくなる人」「応援したくなる、人として魅力のある人」ではないでしょうか。
たとえば、
• どんな時も前向きな言葉を選ぶ人。
• 言葉に温かみがあり、会話すると心が軽くなる人。
• 自分の気持ちを楽にしてくれる言葉を選ぶ人
そんな人は、自然と周囲の人から応援されます。
ビジネスの世界で言えば、それは「また一緒に仕事をしたい」と思われる人。
“贔屓される人”とは“推される人”でもあるのです。
SNS時代の「推し経済」と「情けの経済」
今はSNSを通じて誰もが“推す”ことができ、そして“推される側”にもなれる時代です。
良いサービスや誠実な対応は、あっという間に口コミで広がります。
これがいわゆる「推し経済」です。
けれど、京都や大阪の商人文化にある「贔屓」には、もう少し深い“情”があります。
「長年のお付き合いだから」と通い続けるお客さん。
「お得意さんだから少し多めに入れておきますね」と言う店主。
そこには、数字では測れない“人と人の絆”があります。
つまり、「推し」は瞬発的な共感のエネルギーで、
「贔屓」は時間をかけて育つ信頼のエネルギー。
言葉は違っても、どちらも人がつくる“感情の経済”なのです。
会社でも大切な「贔屓の連鎖」
「贔屓にしている」とは、特定の人物や物事を他よりも好み、特に目をかけたり、優遇したり、応援したりすることを意味します。
職場の中でも、“贔屓”は悪いことではありません。
上司が部下を贔屓し、その部下がまた後輩を贔屓する。
その連鎖が、信頼と温かさを生み、チームを強くします。
「えこひいき」は利己的な選別ですが、
「贔屓」は、相手を信じて応援する“人の情”。
だからこそ、贔屓は組織の潤滑油になるのです。
贔屓される人であり、推される人でありたい
人は理屈よりも感情で動く。
だからこそ、「この人を応援したい」と思われることが、何よりの財産です。
贔屓も推しも、本質は変わりません。
どちらも“人の心が動く”ところから始まります。
そしてこの「贔屓」という関係こそ、
価格競争やビジネス上の競争から抜け出す、静かで確かな力になるのだと思います。

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