先月、経済誌ダイヤモンド社が「従業員の不満投稿が多いブラック企業ランキング」を発表しました。
インターネット、とりわけSNSが当たり前になった今では、自分の働く会社や職場への不満を匿名で発信することは、かつてよりもずっと容易になっています。
私自身、24年前に富士銀行(現みずほ銀行)を退職した経験があり、「会社に対してどう向き合うか」という点については人一倍考えてきました。今でも経営幹部の方々からよく尋ねられる質問が2つあります。
- 「銀行で本部経験も長く、海外勤務もあったのになぜ辞めたのか?」
- 「起業に不安はなかったのか?」
私の答え
「私はみずほ銀行ではなく、富士銀行に入行したのです」と答えています。 みずほ銀行がどんな金融機関を目指しているのか、何度か質問したものの、納得できる答えを得られなかったのです。(=当時在籍していた銀行に対する不満)
2つ目については、当時の最有力な選択肢は外資系金融機関への転職でした。しかし、転職しても遅かれ早かれ辞めるだろうと直感していました。それならば、自らの理想を追求できる「定年のない自分自身の会社」を持つ方が良いと考え、起業を選びました。
もちろん、現実は厳しいものでした。銀行員時代の給与を取り戻すまでに長い年月を要し、「来月の家賃が払えるか」「半年後に会社が残っているか」と悩む日々が続きました。それでも19年間会社を継続できたことは、私に大きな自信と割り切りを与えてくれました。今の仕事をもし失っても、また一から始めればいいと思えるのです。
不満を感じているなら選択肢は2つ
少し本題に戻ります。もし読者の方が、今の会社や職場に強い不満を持っているのなら、選択肢は大きく2つです。
選択肢1:理想に近い会社へ転職する
「以前いた会社の方が良かった」と言うのであれば、戻ることも一案です。あるいは、新たに理想と思える環境を探してみるべきでしょう。
選択肢2:理想の会社を自分でつくる
どこに転職しても不満が残ると感じるのなら、いっそ起業することです。不満の裏側には、自分の中に明確な理想像があるはずです。それを形にする挑戦をしてみるのです。
稲盛和夫氏の言葉を借りて
最後に、今なお多くのビジネスパーソンに支持される稲盛和夫先生の言葉を引用します。
『経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ』(PHP研究所)より抜粋:
「自分が理解、賛同できない考え方で経営する会社で、理解し賛同したふりをしながら働くのは、お互いにつらいことです。あなたの思想・哲学に合った会社に行ってください。これは企業内で明確にしておかなければならないと、今でも思っています。」

結び
会社に不満を持つこと自体は自然なことです。
ただ、その不満をどう扱うかで人生は大きく変わります。
不満をただ愚痴として口にしてしまうと、組織全体の空気を少しずつ濁らせてしまいます。まるで目に見えないウイルスが広がるように、周囲の士気を下げ、結果として自分の評価や信頼にも影響してしまうのです。いわば「天につばを吐く」ようなもので、回り回って自分自身に跳ね返ってきます。
だからこそ、不満を「愚痴」で終わらせるのではなく、前向きな行動に変えていくことが大切です。
転職して新しい環境を選ぶのか、それとも起業して自ら理想を形にするのか。選択肢は常にあなたの手の中にあります。

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