終戦の日 映画「雪風」を観て(読了目安時間:4分)

先週8月15日、終戦の日に映画『雪風』を観ました。
映画『雪風 YUKIKAZE』オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ

舞台は海軍。物語の中には、私の故郷・広島県の呉や江田島が登場します。スクリーンに映し出される風景に懐かしさを覚えると同時に、軍艦を建造した呉、原爆が投下された広島という土地で育った自分に、改めて「歴史とともに生きてきた」という思いが湧き上がってきました。
本コラムでは、私自身と戦争とのかかわりについて、お話したいと思います。

祖父の決断、祖母の沈黙
私の母方の祖父・大澤薫は、高校で国語を教えていました。大正生まれで、三人兄弟の長男。三人とも帝国大学に進学するほど学業に秀でていたそうです。
原爆投下の後、教師であった祖父は救助活動のため爆心地へ赴きました。当時は放射能の知識などなく、その後に残留放射能の影響を受け、免疫力が極端に落ち、体調を崩し、翌年32歳という若さで亡くなったと聞いています。
その時、祖母はまだ20代前半。幼い子ども二人を抱えて突然の夫の死に直面しました。実家の岡山県津山から広島に嫁いで間もない頃のことで、きっと途方に暮れたに違いありません。

祖母は原爆のことを多くは語りませんでした。ただ一度だけ、「自宅から6km離れた場所にも皮膚がただれた被爆者が歩いていて、恐ろしくて窓を開けられなかった」と話してくれたことがあります。あまりにも悲惨な光景は、語ることすら苦しかったのだと思います。祖母もまた2009年に86歳で亡くなりました。

墓前に立つとき
私は帰省すると必ずお墓に足を運びます。私にとって墓前は心を整える「パワースポット」です。手を合わせるたびに、ご先祖が見守ってくれているように感じるからです。
ご先祖にお願い事をするのではなく、ただ「生きていることへの感謝」を伝える。そうすれば「ようやっとるな、困った時は知恵を授けよう」と、天から声が届くような気がするのです。

若い世代へ
読者の皆さんは、私より若い世代が多いので、なおさら戦争を直接知る方や、ご親族から体験を聞いた方は少ないかもしれません。だからこそ、終戦の日がある8月は、自分のルーツをたどってみる月にしてはいかがでしょうか。
ルーツを知ることは、自分自身を知ることにつながります。そして、自分の強みや背景を知ることは、必ずキャリアや人生において大きな力になります。

戦争の記憶は、時間が経つにつれて薄れていくものです。しかし、その背後には必ず「生き抜いた誰か」の姿があり、その営みが今の自分につながっています。もしご親族の中に戦争を経験された方がいらっしゃれば、今のうちにお話を聞いてみてください。直接の体験談は、書物や映像からでは得られない、かけがえのない人生の財産になるはずです。

ご先祖の歩みを知ることは、単に過去を振り返ることではありません。自分がどこから来て、何を受け継ぎ、これからどこへ向かうのかを考えるきっかけになります。終戦の日は、過去に想いを馳せながら、未来をどう生きるかを静かに考える日でもあるのです。

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