副業に浮気するな(読了目安時間 6分)

歳を重ねるにつれ、以前より長い文章を読むのが少ししんどくなってきました。最近では、本を「読む」よりも「聴く」ほうが多くなっています。ただ、まだオーディオ化されていない本については読むしかありませんから、読む本はなるべく厳選するようにしています。
そんな中で、最近読んだ本の中でも特に印象に残っているのが、スコット・ギャロウェイ著『The Algebra of Wealth ― 一生お金を吸い寄せる 富の方程式』です。


タイトルだけ見ると、「またよくあるお金儲け本かな?」と思うかもしれません。ですが実際には、投資の成功体験を並べるだけの自己満足的な本ではなく、「どうすれば経済的自由を手に入れられるのか?」という問いに、実業家でありビジネススクールの教授でもある著者が、自らの経験をもとに具体的かつ現実的なアドバイスを与えてくれる一冊です。
まだ読んでいない方には、ぜひおすすめしたい本です。

最近では、日本企業でも副業を認める会社が増え、実際に副業を始める人も少なくありません。ただ、本書は「副業であればなんでもOK」という姿勢には警鐘を鳴らしています。
ここで、印象的な一節を紹介します。

「副業に浮気するな 
私は“副業”は気を散らすものであり、成功に必要なフォーカスを薄めるものだと考えている。やる価値があるなら、それは本業にしよう。副業をしているということは、本業に何かが欠けているということだ。今より1割、2割多くの時間と労力を副業にかけるくらいなら、それを本業につぎ込んだほうが多くの成果を手にできるのではないだろうか?
フォーカスとは、何をするかではなく、何をしないかである。」

この一節の中では、例外も述べられています。
• 例外1:フリーランスの場合
フリーランスは自分自身がビジネスそのものであり、一つの顧客やサービスに依存するのはリスクが高いため、複数の案件を抱えるのは当然とされています。
• 例外2:会社勤めをしながら起業家としてのキャリアを準備する場合
安定した給与や福利厚生を確保しつつ、段階的に起業に向けたステップを踏むという戦略です。

私なりの解釈を挙げるとすれば、次の2点に集約されます。

  1. 副業をするなら、自分がビジネスオーナーになれることをやれ。
  2. それ以外の副業は、人生という限られた時間を切り売りしているにすぎない。瞬間的な収入は得られても、教育や健康といった生涯大切にすべき資産を損なうリスクがある。

著者は「教育と健康は最大の自己投資」であり、特に教育のリターンは計り知れないとも語っています。これは、私自身の経験からも100%「その通り」と言える点ですし、会社においても、家庭においても、教育こそ最も重要な投資であることは間違いありません。
ちなみに本書は、一般小売価格1,980円なので、多くの人が投資できる金額なはずです。

副業を始める前に、自分に問いかけてほしいこと
1.今の本業で、自分の強みを活かせているか?
2.あと10%努力すれば、大きく成長できる可能性はないか?
3.やろうとしている副業は、「自分がオーナーになれるもの」か?
世の中には、自分の時間を切り売りするだけの副業も多くあります。それが心からやりたいことでない限り、「自由を広げるどころか、大切なものを削る副作用」すらあるのです。

経済的自由の第一歩は、「選ぶこと」より「選ばないこと」
「スキルアップしたい」「キャリアの幅を広げたい」と考えるのは素晴らしいことです。でもまずは、「自分の価値を最大限に発揮できる場所=本業」に全力を注いでみてください。
成果を出せば、任される仕事の質も変わり、収入や評価も自然と上がっていきます。そこから見えてくる“やるべき副業”こそが、意味のある挑戦になるはずです。

最後に
「いろいろやってみたい」という気持ちは誰にでもあります。ですが、“あれもこれも”に手を出す前に、「これだけはやりきった」と胸を張って言える経験を、まずひとつ積み重ねてみてください。
その経験こそが、将来あなたの土台となり、本当の自由を手に入れるための“資産”になるのだと思います。

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