「売っているモノ」と「買っているコト」は一致しているか? —価値の本質とは

営業やマーケティングの現場で、最も重要な問いの一つが、

ということです。

1.スターバックス
たとえば、スターバックス。
私たちはこのカフェで「コーヒー」を買っているでしょうか?
もちろん、メニューには様々なコーヒーやラテが並んでいます。しかし、スターバックスが世界中で成功した理由は、単に「おいしいコーヒー」を提供しているからではありません。
ある人は「仕事の合間に一息つける場所」として、またある人は「友人と過ごすための落ち着いた空間」としてスターバックスを訪れます。さらに、パソコンを広げて静かに作業する人、読書にふける人、打ち合わせをするビジネスマンたち……彼らがスターバックスで手にしているのは、コーヒーそのものというよりも、「自宅でも職場でもない、自分だけの第三の空間(サードプレイス)」です。
つまり、スターバックスが本当に「売っているもの」は「空間」であり、「時間」であり、さらには「自分らしくいられる感覚」なのです。コーヒーは、その体験を構成する一部にすぎません。
このような視点は、私たちが日々取り組む営業活動にも非常に重要な示唆を与えてくれます。
あなたが売っている製品やサービスは、本当に顧客が「欲しい」と思っているものと一致しているでしょうか?

2.BtoBの営業にも通じる「体験価値」
この「売っているものと買っているもののズレ」は、BtoBの現場でもよく見られます。
たとえば、ある産業機械メーカーが「最新の性能」「高精度の計測技術」「高耐久性」を前面に押し出して営業活動をしていたとします。確かにこれらは重要な製品スペックです。
しかし、顧客が本当に求めているのは、「その装置を導入することで、社内の品質管理プロセスがどう改善されるか」「生産現場でどれだけトラブルが減るか」「人手不足の中でも安定稼働できるか」といった、より実務的で、経営インパクトのある“成果”なのです。

スペックの高さは、あくまで「手段」にすぎません。顧客はその先にある「結果」や「安心感」「効率化されたオペレーション」を買っている。ここを見誤ると、いくら製品説明を丁寧にしても、商談は進みません。
あるいは、ソフトウェアの導入提案で「多機能性」を強調しすぎて、顧客の現場担当者が「使いこなせるか不安」「むしろシンプルな方がよい」と感じてしまい、競合の“機能は少ないが導入支援が手厚い”製品に負けてしまう。そんなケースもあります。

3.「買っているコト」を深く掘り下げる
営業の本質は、「説得」ではなく「共感」です。
顧客が何に困っていて、何を得たいのか。その背景にある業務や組織の課題までを理解し、相手の立場で“買っているコト”を想像する。そのうえで、自社の製品やサービスがどんな「価値ある体験」や「成果」を提供できるのかを語る必要があります。
BtoBの現場では、とかく製品の性能や価格、納期といった“スペックの比較”に終始しがちです。しかし、本当に差がつくのは、「この会社は自分たちのことをよくわかってくれている」と思わせられるかどうか。それは、営業パーソンの“共感力”と“視点の深さ”によって決まります。

スターバックスが教えてくれるのは、「売っているモノ」ではなく「買っているコト」を見極める視点の重要性。
その視点を、私たちの営業活動にも応用してみてはいかがでしょうか。

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