先週に続き、来日した親友のスイス人との会話でいくつか共通した見解がありましたので、ご紹介します。
“EVは課題の方が多く、本格的な普及は難しい”という話題になりました。
私は、セカンダリー市場(中古車市場)の未整備を挙げました。EVの価値の源泉は言うまでもなくバッテリー性能です。皆さんもスマホやノートパソコンで経験している通り、バッテリー性能は、購入から時間が経つ(使用頻度、使用時間にもよりますが)と、どんどん悪くなります。しかも加速度的に悪化します。
車の場合、なおさら不自由を感じるようになります。
この記事(https://biz-journal.jp/2023/07/post_357755.html)の筆者は、「走行距離6万kmの中古リーフを50万円で購入して乗っていましたが、買った時からバッテリーの充電容量が減っていて、満充電でもエアコンをつけたら50km程度しか走れませんでした」と書いています。
更に、「ディーラーでメインバッテリーの交換を見積りしたら、バッテリー代だけで80万円以上、交換工賃10万円以上、合計でおよそ100万円でした」と追記しています。
要するに、良い状態でEV売却するには、高額なバッテリー交換をしなければならないので、100万円、場合によっては200万円以上のコストが発生するということです。
更に、バッテリーは当初の性能、走行距離や劣化具合によって、様々な評価を加味しなくてはならないので、正直なところ、精緻な金額が出せないというのが現実のようです。
⇒ これでは中古車市場は普及しません。
一方、スイス人の見解は違う視点で、EVの普及が難しいと言っていました。
それは、EVを走らせるための電力がないという点でした。

グラフ横軸は、EUの自家用車台数、右はEVの台数です。
凡そ、EUの自家用車台数は約2.5億台、EVは2021年時点で約200万台です。
おそらく、EVはその後も増えていることを想定すると、ざっくり全自家用車の1%がEVと言えます。
では、1%のEV比率が、30%、すなわち、7,500万台がEV車になったら、どのくらいの電力が必要か?
ここからは、ChatGPTの回答を引用します。
年間走行距離が長いドイツで、平均約13,000キロ台、イタリアで8,000キロ台とばらつきがあるので、単純計算しやすく、年間走行距離は10,000キロを前提とします。
Question1:電気自動車1台が1年で1万キロ走行したら、どのくらいの電力が必要ですか?
ChatGPT:
電気自動車 (EV) が1年で1万キロ走行する際に必要な電力は、その車の消費電力 (kWh/100km) に依存します。平均的な消費電力を使って計算することはできますが、実際の数値は車のメーカーやモデル、走行条件などによって異なります。
例として、もし電気自動車が15kWh/100kmの消費電力を持つと仮定すると、1万キロ走行するのに必要な電力は次のように計算できます:
必要な電力 (kWh)=消費電力 (kWh/100km)×走行距離 (km)/100
必要な電力 (kWh)=15×10,000/100=1,500kwh
この計算によれば、15kWh/100kmの消費電力を持つ電気自動車が1年で1万キロ走行するためには、おおよそ1,500kWhの電力が必要です。
Question2: 電気自動車1台が年間必要な電力が1,500kWhの場合、7500万台に必要な電力はどのくらいですか?
ChatGPT:
1台の電気自動車が年間で1,500kWhの電力を必要とすると仮定した場合、7,500万台で必要な電力量を計算するには以下のようになります:
必要な電力 (kWh)=1,500×75,000,000
必要な電力 = 112,500,000,000kWh = 112.5TWh (1テラワット時 = 10^12 ワット時)
したがって、7,500万台の電気自動車が年間で1,500kWhずつ使用する場合、合計で約112.5TWhの電力が必要になります。
Question3: 112.5TWhの電力を発電する場合、発電所はどのくらい必要ですか?
ChatGPT:
1.石炭火力発電所の場合:
仮に1つの石炭火力発電所が1GWの容量を持ち、年間の稼働率が85%であるとします。
年間発電量=1GW×0.85×24時間/日×365日=7.446TWh/年
112.5TWh ÷ 7.446TWh/年≈15.1
この場合、約15基の1GWの石炭火力発電所が必要です。
2.原子力発電所の場合:
仮に1つの原子力発電所が1GW(※)の容量を持ち、年間の稼働率が90%であるとします。
年間発電量=1GW×0.90×24時間/日×365日=7.884TWh/年
112.5TWh ÷ 7.884TWh/年 ≈ 14.3
この場合、約14基の1GWの原子力発電所が必要です。
※:1GWの容量。関西電力・高浜発電所1号機、2号機がともに540MWなので、1号機+2号機=1,080MW=1.08GW。おおよそ、高浜発電所2機分とお考えください。
3.太陽光発電の場合:
太陽光発電の場合、地域や設置場所により発電量は大きく異なるため、具体的な数字は難しいですが、たとえば年間稼働率が20%で1GWの太陽光発電施設を仮定すると:
年間発電量=1GW×0.20×24時間/日×365日=1.752TWh/年
112.5TWh ÷ 1.752TWh/年 ≈ 64.2
この場合、約64基の1GWの太陽光発電施設が必要です。
一般的に、太陽光発電施設は約1MWの発電容量あたり 4,840坪~7,562坪の土地を要すると言われています。しかし、これは非常に一般的な数値であり、具体的な条件によっては大きく変動することがあります。
1GW = 1,000MWを考慮すると、以下のように計算できます:
最小の場合(4,840坪/MW):
1,000MW x 4,840坪MW = 4,840,000坪
東京ドームが約13,000坪なので、約372個分。
64基であれば、372個×64=東京ドーム23,808個分の太陽光発電
最大の場合(7,562坪/MW):
1,000MW x 7,562坪/MW = 7,562,000坪
東京ドーム約581個分。
64基であれば、581個×64=東京ドーム37,184個分の太陽光発電
上記、3つの発電方法は、どれも実現するのが非常に難しいことがわかりますね。
昨日、9月24日日曜、フジテレビ日曜報道 THE PRIMEで、立憲民主党・小川淳也税調会長は、燃料費高騰の長期的対策として、ガソリン車ではなく、EVへの切り替え(プラットフォームを替える)を主張されていましたが、EVを走らせるには、上記にように、莫大な電力供給が必要となります。おそらく、日本で唯一実現可能な電力供給は、2の原子力発電しかないのが現実ではないでしょうか?要するに、EV普及は電力供給とセットで考える必要があるのです。
私たちは、今、様々な情報を入手する手段があります。
家族(特にお子さん)との会話、友人との会話、お客様との会話、同僚との会話、様々な会話の中から、興味ある材料を掘り下げて、調べてみてはいかがでしょうか?
これまで、なんとなくイメージ先行で話していた内容が、明確になります。
曖昧なままで良いこともありますが、ビジネスシーンでは明確さが求められます。
ご自身で興味がある、もしくはぼんやりとしか答えられなかったこと、たくさんあると思います。週に1回、15分、ぼんやりしか答えられなかったことを調べる時間に使ってみてはいかがでしょうか?

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