昨年2021年7月、パナソニック株式会社(現パナソニックホールディングス)代表取締役 社長執行役員グループCEOに就任した楠見雄規氏は、就任直後から将来に対する危機感を発信するため、売上高が30年前と変わらない水準であることを指摘した上で、「パナソニックは過去30年間成長することができていません」と表現しました。
下記は2000年以降の株価推移です。

株価は20年前の約3分の1で推移しており、投資家に対して成長性を示せていないと言えます。
一方、パナソニックには学ぶべき点、素晴らしさが数多く残っています。
パナソニックグループは連結子会社を含め500社以上の会社で、約24万人の従業員を雇用しています。当社所在地の渋谷区の全人口が約24万人なので、渋谷区民全員に給与を支払う売上と財務体力があることに等しく、いかに社会的貢献度が高い会社なのかがわかります。
経営者の方なら、身に染みて理解されていることだと思いますが、従業員に給与を支払い続けることは本当に大変なことです。
過去20年には、インターネットバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災、新型コロナウィルス等、経済にマイナスのインパクトを与える大きな出来事がありました。その中で、これだけの従業員数を維持しているだけでも、素晴らしい企業だと思っています。
パナソニックの低迷については、諸説ありますが、私の個人的な意見としましては、パナソニックに社名変更し、”脱松下”という創業家から距離を置く、置き方に問題があったのではないかと思っています。
たしかに世襲で経営が引き継がれることは、メリット、デメリットがありますので、あくまでも、経営者として最もふさわしい方がトップになれば良いと思います。しかしながら、創業者であり、今だに多くの経営者、ビジネスマンに愛される松下幸之助氏の思想、哲学、経営理念は、そのまま引き継ぐべきであったと思います。もちろん、強く引き継いだ方も多くいると思いますが、メディアに”脱松下”という言葉が出てしまいますと、幸之助氏の哲学からも距離を置いてしまっていたように感じました。
私は2010年頃から、ご縁があって、パナソニックグループの会社、パナソニックホームエンジニアリング株式会社様(以下、「HEG」、現パナソニック建設エンジニアリング株式会社)と仕事をする機会があり、2016年まで取引を頂戴しておりました。先週15日金曜、HEGの元取締役が現在取締役を務めている会社で、私に手伝ってもらいたい仕事があるというので、久しぶりにお会いして、会食する機会がありました。
現在その取締役は68歳ですが、考え方に若さがあり、仕事に対するプロ意識が強い方なので、改めて、松下幸之助氏の「全身全霊」という言葉を思い出しました。
「本業に全身全霊をささげて、そこに喜びが湧いてこないというようなことでは、その本業から去らなければならないという見方もできると思います。能力の問題ではありません。それに全身全霊を打ち込む喜びをもつかもたないかの問題です。」
(出所:「松下幸之助成功の金言365」著:松下幸之助 / 編集:PHP研究所)
前述したパナソニックグループ楠見CEOは、就任以来誰よりも多く松下幸之助氏の言葉を引用しています。
パナソニックグループの皆様、自信を持って”松下らしい経営”で、新たな成長路線を突っ走ってください。
