営業の重要性②

本年1月24日に掲載したコラムで営業の重要性をテーマにしました。
大学や高校を卒業して、社会人になった新卒社会人の皆様は、営業や営業に係る職場に配属された方が多くいらっしゃると思いますので、本コラムでは私の体験を中心に営業の重要性とその広がりを紹介したいと思います。

私が富士銀行(現みずほ銀行)に入行し、2年ほど支店勤務を経験した後、市場証券部門に配属になった後のお話しをしたいと思います。
私は市場部門では自己勘定ディーラー部門と、セールス部門を両方同じくらいの期間経験しました。
その経験の中で、最もがっかりした配置換え(部内辞令)が、自己勘定部門から金融先物のセールス部門への配置換えでした。
私が上司と2名で立ち上げた特殊な自己勘定部門はポジションが大きく、ポジションを取る方針(金利が上がるか?下がるか?どちらに賭けるのか?)が明確であった上、市場のトレンドが合致していたため、業績は順調で、向こう数年は相応の利益が確定しているような部門でした。その頃、最も日の当たらない業績の悪い部門がセールス部門特に金融先物の部隊(他には国債、金利デリバティブ)でしたので、着任当初は「なんで俺が」と思っていました。最初の1年半くらいは、取引量は少し増える程度でしたが、ある外資系証券のアカウントを獲得してから一気に業績が急拡大しました。外資系証券のトレーダーはブックランナーといって、自分の裁量で収益を上げていくことが要求されます。注文の発注やその後のバックオフィスのサービスを含め、使い勝手が良いと判断されると、他のトレーダーも利用したがるので、1社獲得しても、実際は皆個別のブックランナーなので、5人いれば5社あるのと同じ取引量を確保できます。更に、外資系のトレーダーは転職することが多く、転職先の会社が許容すれば、またそこで取引が始まります。まさに雪だるま方式のプル型(プル・プッシュの定義は後述)営業で、在籍した4年間で、東京金融取引所の市場シェアを1%から10%まで引き上げました。
そして、ある決算期末で乾杯する席(※)で、当時の取締役部長が「お前は大したもんだ。オレが散々苦労して出来なかったこと(=先物セールス部門の収益化)をやってのけた。ご苦労さん」と言葉をかけてもらい、この時、本当の意味で営業の楽しさを実感しました。
また、営業で知り合った顧客は長い付き合いができることも大きな財産です。現在、当社の株主であるTさんは、私の金融先物セールス部門の業績を爆発的に増やすことに大きな貢献をしてくれた当時の顧客なのです。
(※)当時は3月、9月の半期決算が終わる当日夕方から、ビールとつまみで乾杯することが慣例となっていたのです(笑)

営業には各々スタイルがあるのは当然ですが、私の経験から、営業で成功する人の共通点は、むやみに新規顧客獲得に急ぐのではなく、目の前にある顧客を大切にしている点です。営業成績を飛躍的に伸ばそうとしても、プッシュ(Push)型=常に自分から営業活動をするやり方ですと、精神的にも肉体的にも疲弊します。一方、プル(Pull)型=誰かが自分を紹介してくれることが多く自分からは営業活動をしない人は、どんどん仕事が入ってきて、注文(発注やオーダー)をこなすのに精一杯で、楽に成績を上げることができます。時間的な余裕があるため、疲労感を感じることがありません。
ただし、最初からプル型になれることはなく、誰でもプッシュ型を経験して、あるきっかけでプル型になるパターンがほとんどです。
また、営業する製品やサービスが変わると、当然最初はプッシュ型からスタートします。しかしながら、熟練した優秀な営業マンは、プッシュ型からプル型に転換するまでの期間を短縮することができます。

具体的にどのような事象なのか、オススメの映画あるので、紹介します。

『ザ・エージェント』(原題:Jerry Maguire)1996年公開
監督・脚本:キャメロン・クロウ、主演:トム・クルーズ
https://www.youtube.com/watch?v=KUd3gwaf0KQ

<ストーリー概要>
有能なスポーツ・エージェントのジェリー・マグワイア(トム・クルーズ)は、高価な年俸のみを追求する会社の方針に疑問を持ち、クライアントであるアスリートの立場になった理想的な提案書を会社に提出したものの、会社の方針と異なるため、クビになってしまう。個人でスポーツ・エージェント会社を立ち上げたものの、顧客は落ち目のアメフト選手一人でした。しかし、この一人の顧客を大切にしたことが主人公を思わぬ方向へ導きます。

誰でも取引量や取引額の大きい大口顧客を取りたいのは同じです。しかし、最も大切なことは、今、目の前にいてくれる顧客を大切にすることで、取引量は関係ありません。もし、あなたが取引量に不満なら、それは、自分はまだその取引量を扱える器がないからだと思ってください。では、大きな取引を獲得するには、何をしたら良いか、また周りでトップセールスを評価される人から何を学べば良いか、むしろ自己研鑽の励みにすることができれば、もうあなたはトップセールスになる資格がある方なのです。
新入社員の皆さん、営業は楽しい仕事です。
社会人の楽しさを営業という仕事を通じて、是非味わってください。

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