先月のワインコラムでは、白ワインの味わい方について解説しましたので、今週はいよいよ赤ワインです。白ワインの味わいのポイントが、酸味、果実味であることに比べますと、赤ワインは何と言っても、渋み、ボリューム感が白ワインにはない楽しみと言えます。
この違いの要因は、ブドウの種類に由来するものではなく、醸造工程に由来することを、昨年6月のコラムで紹介しましたが、もちろん、忘れている方も多いと思うので、赤ワインと白ワインの味わいの違いが、醸造工程に由来することを復習しましょう。
“白ワインは、収穫したブドウの果汁のみを発酵させます。一方、赤ワインは、黒ブドウを潰してから、果汁、果皮、種を全部一緒に漬け込み(マセラシオンといいます)ながら、発酵させたものです。ブドウを丸ごと漬け込み、発酵させることで、皮からは赤い色素、皮と種の一部から渋み(ポリフェノール、タンニン)や苦味が、皮に含まれる成分から芳香、いわゆる香りが出てきます。”
先月の白ワインを楽しむというコラムで、味わいを楽しむためのアイテムとして、グラス選びの重要性を解説しましたが、赤ワインも同様です。
今回もこちらのサイトを参考にして、グラスによってワインがどのように流れるのかを覚えておきましょう。
https://shop.riedel.co.jp/lp/howtochoose/

ゆるやかなすぼまりの大きなボウル型のグラスは、複雑で芳醇な香りを解きほぐしてくれるので、カベルネソービニオン、メルロ、モンテプリチアーノ、テンプラニーリョ、マルベックなど、濃い色合いのワインに適しています。ワインの流れ方は、舌の中央から横に広がるのが特徴なので、しっかりとしたボディ、厚み、高級ワインですと、シルクのような舌ざわりを感じながら、舌全体で渋みや果実味を楽しむことができます。

大きなボウル型のワイングラスは、渋みより心地良い酸味が感じられるワイン、また、香りが華やかで、香りを大きなボウルに閉じ込めて、香りをじっくり楽しむワインに最適です。色は少し薄めで、透明感のあるワインを選びましょう。ブドウ品種の代表格は何と言っても、ピノノワールです。ピノノワールはフランスブルゴーニュ地方を代表するブドウ品種ですが、米国カリフォルニア州、オレゴン州、南半球ではニュージーランドでも生産されています。産地が違っていても、同じブドウ品種なので、大きな特徴=ワインの幹の部分は変わりませんが、酸味と果実味のバランスや、舌触りは産地や作り手によって、大きな違いがありますので、是非、世界各地のピノノワールを試してください。私の感覚からすると、前述したカベルネソービニオンやメルローといった濃いワインより、ピノノワールの方が産地の違いがわかりやすいかもしれません。
2つ目のテクニックは温度ですが、真夏以外はほぼ常温で良いと思いますので、赤ワインはあまり温度を気にせず保管し、良い意味で適当に常温で飲みましょう。
保管についてですが、ワインは、温度そのものというより、急激な温度変化や直射日光に弱いだけなので、部屋であれば、北側で日当たりが良くない部屋はワインの保管場所としては最適です。
湿度を好みますので、押し入れで保管するのも良い方法です。
1. 時間軸⇒これは白ワインと同じなので、復習しましょう。
ワインを飲む時の細かい時間軸
① ワインを口に含み、舌に触れた瞬間
② その後、ワインが口の中全体に広がっていく瞬間
③ 喉へ流れていき、主に鼻から抜ける余韻を感じる瞬間
この3つの瞬間でどんな味を感じるか?を観察してみてください。
2. どんな味を感じるか?は以下3点を観察しましょう。
① 酸味:赤ワインの酸味は穏やかですが、微妙な違いを感じたいところです。
② 渋み・苦味:赤ワインに含まれるタンニンが渋みの元ですが、熟成するとマイルドになります。
③ ボディ:舌で感じるワインの重み・コクのこと。アルコール度や果実味、タンニンの強弱によって変化します。アルコール度が高い=糖度が高いワインが概ねフルボディと呼ばれ、逆に弱いとライトボディと呼ばれます。
もし、あなたが手にしたワインが、2017年ジュヴレ・シャンベルタン(生産者によって差はありますが、概ねということで)であれば、
① 口に入れた瞬間には、野イチゴやフランボワーズのような香りとともに柔らかい酸味を感じ、
② ワインが口に広がるとともに、果実味を感じつつ、舌触りは絹を思わせる滑らかさがあり、タンニンを優しく感じることができ、
③ 喉を通り過ぎた余韻は、実に優しく、果実味と上質なタンニンのハーモニーを楽しむことができます。
コロナが早期に終息することを願いつつ、皆さんとワイン会を開催できる日を楽しみにしております。
