みずほの企業統治の立て直し

2022年1月17日、みずほ銀行は度重なるシステム障害を受け、再発防止に向けての人事刷新を含めた業務改善計画を金融庁に提出しました。

本コラムでは、みずほの業務改善計画における、企業統治に関する部分に注目し、本当に立て直しできるのか?もし、できないのであれば、どうすべきか?を提言したいと思います。

以下、業務改善計画から抜粋(下記PDF9ページご参照)

出所:https://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20220117release_jp_1.pdf

(1)取締役会・監査等委員会等の機能発揮

①多面的な情報収集力の強化【2022 年 4 月】
・FG(フィナンシャルグループ) および BK(銀行) を含む各エンティティ(グループの各企業体)における社外取締役の情報収集力を強化する観点より、取締役会室・監査等委員会室から情報共有の充実、社外取締役間の意見交換や職場訪問を含めたグループ役職員との直接・間接のコミュニケーション機会の充実に取組み
②エンティティの役割を踏まえた専門性の充実【2022 年 3 月】
・FG および BK を含む各エンティティが果たすべき役割を踏まえた監督機能を強化する観点より、取締役会等における、外部人材や外部専門家の拡充に取組み(BK 取締役会における社外も含めた取締役の拡充等を検討【2022年 3 月】)
③経営陣に対するフォローアップ等の強化【2022 年 3 月】
・取締役会等における議論を通じて確認された課題等について、各々の会議体において可視化のうえで共有するなど、執行サイドをフォローする仕組みを高度化

残念ながら、私の意見は、この改善計画では再生はできないというのが結論です。

みずほの業務改善計画に対して、瀕死の状態であったアップルを再生したスティーブ・ジョブズ氏が何をしたのか?を振り返ってみます。テクノロジーカンパニーと銀行では、再生のやり方が同じであるはずがないという意見があるのは当然ですが、同じ人間がやることなので、参考になる点は多いと思いますので、あえて引合いに出します。
出所:https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00025/012200002/

ジョブズ氏:“私が戻ってきたとき、アップルには明確な企業戦略がなく、これが最大の問題だった。だから私は、明確な戦略づくりとリーダーシップのあり方を変えることに、まず力を入れたんだ。情熱がない3分の1ほどの社員には辞めてもらった。”
” 私はストックオプションが好きだね。誰かの働きで株価が1ドル上がれば全員に恩恵がもたらされるんだから。ストックオプションを導入してからは、社員全員がアップルをどう変えるか、目の色が変わってきたと思う。”

危機的な状況を乗り切るには、合議は向かないという点に尽きると思います。みずほは取締役を増員すると発表しました。取締役増員は一見するとコーポレートガバナンスを強化するように見えますが、真実は逆です。

ここでも、再三取り上げているピーター・ティール氏の著書「Zero to One」から一部を抜粋します。

”取締役会は身軽な方がいい。取締役の頭数が少ないほど、お互いのコミュニケーションが取りやすく、合意に達しやすく、効果的な監督が行われやすい。”

更に取締役の人数が多い弊害を明確に指摘しています。

“大人数の取締役会は効果的な監督を行うことはできない。それでは、実際に組織を牛耳るミニ独裁者の隠れ蓑になるだけだ。取締役会の監視から逃れたければ、頭数を増やして取締役会を膨張させればいい。取締役会をきちんと機能させたければ、少人数にとどめるべきだ”

国内のメディアにも同様の記事がありましたので、紹介します。
『週刊ダイヤモンド』1月22日号の第1特集は『銀行内乱』です。企業統治改革の観点から、多くの上場企業が社外取締役を増やしています。銀行も同様ですが、取締役の「量」だけでなく「質」も向上させなければ、内乱の火種となりかねません。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
出所:https://dw.diamond.ne.jp/articles/-/29840

まさに、ピーター・ティールが指摘した取締役の頭数が多いことの弊害が日本の銀行経営でも起こっています。

瀕死の状態の会社を救うには権力を少数に集中し、強烈なリーダーシップで乗り切る方が組織全体にメッセージが伝わりやすく、再生できる可能性が高まると言えます。

みずほへの提言
1. 木原氏が明確な企業戦略を示し、従来とは違ったリーダーシップのあり方を示すこと
2. 取締役会の人数を減らすこと
3. 社員にストックオプションを与え、会社と社員個人の結びつきを強めること

私の後輩も、まだ多くの方が現役で働いていますので、再生を願うばかりです。

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