少子化対策こそ経済対策最優先事項

今年の最大の政治イベントであった衆議院選挙で自民党が勝利した後、10月4日岸田文雄内閣で少子化対策担当相に任命された野田聖子前自民党幹事長代行は「30年近く取り組んできたことばかりなので言葉だけじゃなく、早く制度や形として皆さんに届けたいという一心だ」と意気込みを述べました。
しかしながら、なぜ少子化対策が重要なのか?が今一つ伝わらないと思っているのは私だけでしょうか?

少子化対策にあたって、私ならこのようにプレゼンします。

・日本国民一人が一生で使うお金はおおよそ3億円と言われています。
3億円の内容につきましては、りそな銀行のウェブサイトでわかりやすく説明されているので、添付します。
https://www.resonabank.co.jp/kojin/shisan/column/kihon/column_0002.html

・出生数の推移は下記の通りです。

出所:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-01-07.html

・出生数は、1971年~1974年の第二次ベビーブームをピークに、減少の一途を辿り、2016年以降は100万人を下回り、2019年には86万5千人まで減少しました。2019年と2015年の出生数100万5千人と比較しても、約14万人減少しています。
この数字を前述の生涯消費金額3億円で計算しますと、
 △140,000人 × 3億円 = △42兆円
日本の将来キャッシュフロー42兆円が失われた計算となります。

・子育てで、心配事と言えば、食費よりも教育費ではないでしょうか?
残念ながら、現在の教育システムでは、塾通いなしで、公立小学校、公立中学校、公立高校を卒業しただけで、国立、私立の難関大学に合格することは至難の業です。
中学受験、高校受験、大学受験で概ね6~7年通塾した場合、通う塾やコマ数によって差異があるにせよ、月々5万円、夏季講習20~30万円、冬期講習10~20万円で、おおよそ毎年100万円前後の塾費用がかかります。

・よって、今回議論されている子育て世帯に対する給付金10万円は、2か月分の塾代にしかならないのです。
教育レベルが生涯消費や生涯賃金が完全に正の相関関係があるとまでは言いませんが、ある程度、高い教育レベル=高い賃金となる傾向があるのであれば、子どもに投資しないと、現在でも人材不足感の高い、AIエンジニアやデータサイエンティストなど高い能力を有する人材を数多く輩出することが難しいと言えるのではないでしょうか?

・提言:給付金は一時的ではなく、毎月一人5万円給付する。
こどもが3人いる家庭は所得税を免除する。
理由:子どもの人数こそが将来の日本のキャッシュフローを生み出す源であるから。

参考までに他の先進国の出生率グラフを示します。

一人の女性が一生の間に何人の子を産むかを表す合計特殊出生率は、アメリカは昨今減少傾向にありますが、フランスは1990年代から本腰を入れて少子化対策に取り組んでいるため、概ね2.0近辺で推移し、将来も人口が減少しない工夫をしています。
フランスの少子化対策は、”産めば産むほど有利”な社会制度にした点です。
代表例は下記の通りです。
・家族手当
所得制限なしで、2子以上を養育する家庭に給付。20歳まで、こどもの数によって支給。
・N分N乗方式(※)
子育て世代、特に3人以上の子どもを育てている世帯に対して、大幅な所得税減税。
・家族補足手当
第3子から支給。所得制限はあるものの、多くの世帯が受給。
・年金加算
子どもを3人養育すると年金が10%加算。
・出産費用
全て無料。産婦人科の受診料、出生前診断、出産費用から産後のリハビリ含め全て無料。
・高校までの学費は原則無料。
公立大学は、学費はほぼ無料。
・事実婚と婚外子
法律上の結婚にとらわれないカップル、パートナーシップが社会的に認知される法律を整備。
新生児の父母の50%以上は未婚。

※N分N乗方式 : 課税所得を世帯で合計して家族の人数で割り、税率を掛け合わせて1人当たりの税額を算出。さらにこの額に家族の人数を掛け合わせ、世帯が払う税額を決める方式。

各国の教育事情、国、地方公共団体の仕組みは大きく異なるので、うまく機能している国の真似する必要はありませんが、学ぶべき点は多いにあると思います。

<余談>
私の親しい事業パートナーさんは、昨年還暦後にお子さんが生まれ、もう一度子育てがあると張り切っています。
このお子さんが大学卒業するまでは現役で仕事をすると断言しておられ、まさに歩く少子化対策です(笑)。年金も必要なさそうなので、国の財政にとっても誠に優しい方だと思っております。
見習いたくでも、なかなか実践できませんが、陰ながら子育てを応援したいと思っております。

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