先週、会食した際、私がお店に持ち込んだワインの状態が悪く、飲めないことがありました。
通常、飲めないワインの多くの代表格がブショネと言われるコルクに原因があり、ワインが劣化して飲めない状態になっているものです。
レストランやワインバーでソムリエさんがコルクの香りを嗅ぐ、あの動作。「ブショネ」を確認する動作で、コルクテイスティングをしているケースもあります。本日はテイスティングに関連し、ワインの香りの話をする前に、「ブショネ」という現象を簡単に説明したいと思います。
ブショネとは劣化したワインを表す用語で、ブション(コルク)に起因する品質劣化のことです。コルクの原材料であるコルク樫に元々存在していた微生物や成形の過程で発生した化合物TCA(トリクロロアニゾール)が原因となり、不快な臭いを発します。
典型的な臭いとしては、まずカビ臭さです。また、水や湿気を含んだ段ボールの臭いと表現する専門家も多いので、自宅の庭やバルコニーに、雨ざらしになった段ボールがあれば、捨てる前に、よく臭いを嗅いで、その臭いを覚えておきましょう。
先程の会食の話に戻りますが、今回の劣化はブショネではなく、ワインの保存状態の問題で味が酸化していました。
恐らく、流通や保管の過程で、「温度が高い状態の場所に放置されていた、もしくは直射日光があたるような場所に置かれていた」が推測できる原因です。
少し厄介な点は、香りは問題なく、口に含まないとわからない点でした。前回のワインコラムで、テイスティングは香りだけで、ほぼ完了すると書きましたが、今回は飲まないとわからなかったので、口に含むテイスティングの重要さも再認識できました。
時間のある方は、古い刑事ドラマですが、刑事コロンボシリーズの”別れのワイン”という作品をご覧いただくと、よりわかりやすいと思います。(犯罪立証の決め手が、ワインの保存状態という作品です)
https://www9.nhk.or.jp/kaigai/columbo/list/epi_19.html
ここで注意して頂きたいのは、
・コルクに起因するブショネの確率は、5%前後あると言われ、高級ワインからデイリーワインに至るまでワインの値段に関係なく発生します。
・保管状態が原因の場合、原因を特定することはほぼできないので、販売店やレストランが悪いわけではないことを覚えておきましょう。そもそも、輸入前が原因か、販売店でたまたま日光があたる場所に放置してしまったのか、お店にセラーがなく、放置しておいたら、ワインが劣化したのか?様々な原因があります。
したがって、劣化したワインがあること自体は避けられないことなので、ワインを楽しむプロセスと割り切って、対応してください。
前置きが長くなりましたが、本題のテイスティング、香りについて解説したいと思います。
香りの表現は、多種多様で、フルーツの香り、花の香り、スパイスの香り、土の香りなど、多くの表現を用いて、香りを表現します。また、ソムリエをはじめとするワインの専門家は、香りから、ブドウ品種、生産地域、醸造方法、ヴィンテージ(生産年)を頭の中で判断していきます。
今回は香りの特性と、よく使われる表現を後述しますので、是非、ワインを片手に、どの香りが当てはまるか、試してみてください。また、これは各自の感性なので、グレープフルーツの香りもするし、ハチミツっぽさもある、とかたくさん挙げてもらっても全く問題ありませんので、自分が感じる香りを言葉で見つけてみてください。
香りの特性”アロマ”と”ブーケ”
アロマ:ブドウ本来の香り、ブドウからワインに醸造される過程で生じる香り
代表例:果実、花、スパイス
ブーケ:ワインが樽(もしくはタンク)の中で熟成され、抜栓され、グラスに注いで口に入れるまでに生じる香り
代表例:樽香、土、枯れ葉
グラスを片手のテイスティング用語を覚えよう!!
<アロマを表現する>
• 果物で表現する
白ワイン:レモン、ライム、青りんご、グレープフルーツ、洋ナシ、桃、あんず、パイナップル、マンゴー、ライチ
赤ワイン:いちご、カシス、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、チェリー、プラム
• 花で表現する
ゆり、バラ、アカシア、菩提樹、ジャスミン、ゼラニウム、牡丹、すみれ
• ハーブで表現する
ミント、タイム、ローズマリー、レモングラス、エストラゴン
• スパイスで表現する
白コショウ、黒コショウ、シナモン、グローブ、ナツメグ、ユーカリ
<ブーケを表現する>
• 植物で表現する
枯れ葉、腐葉土、葉巻、紅茶、森林、コーヒー、黒トリュフ、マッシュルーム、椎茸
• 動物で表現する
なめし革、ジビエ、濡れた犬の毛、ジビエ
• 鉱物で表現する
石灰、鉄、鋼、火打石
さあ、皆さんの片手にあるワインは、どれが当てはまりますか?
