選挙の矛盾

先週10月14日(木)午後に衆議院は解散し、与野党は選挙戦に入りました。衆議院選挙は「19日公示―31日投開票」の日程で実施されます。
衆議院の定数は小選挙区289、比例代表176、合計465議席ですが、この選挙区の意味と政治が取り組むべき課題を整理したいと思います。

小選挙区:候補者は自分が立候補する選挙区内を遊説して、有権者に対して自分の政治主張を訴え、他の候補者と議席を争います。候補者が街頭や駅前で遊説している光景を皆さんもよく目にしますね。活動範囲が狭い分、選挙活動費を比較的低く抑えることができます。

比例代表制:各党の得票率に応じて議席が配分されるため、小政党であっても一定の得票があれば、当選できる可能性がある制度です。ただ、比例代表制は政党の政策が主となり、候補者個人の政治主張や人物像が見えにくいという欠点もあります。

政治とはという問いに対して、明確な答えがあるので、紹介します。

出所:コトバンク https://kotobank.jp/word/%E8%B2%A1%E6%94%BF-67986

“デモクラシー(民主国家)の下で財政活動が始まる原動力は、公共サービスに対する国民の需要である。国民の需要に応じるために、国民による投票を通じて政府が形成される。国民が要望する方向に政府活動が始動される場合、国民は公共活動から生じる費用の負担を納得する。反対に、政府活動や租税負担が国民の要望から離れた場合、国民の支持をめぐり政党間で選挙による政治競争が始まる。

では、国民はなぜ政府に財政活動を求めるのか。デモクラシーの経済制度の大部分は市場経済であり、国民所得の生産・分配・支出も大部分が市場で決定される。まず、基礎的で最小限の政府活動として、私有財産の認定、市場取引を円滑にする法制度、司法警察の制度、外交担当が要請される。

もう少しわかりやすく、政治の役割、すなわち、民間人、民間企業ではできない仕事を定義すると、

・国を守る外交

・国民の治安を確保する警察

・国を発展させるための教育

この3点の法整備並びに推進と言えると思います。

一方、前述したように、国よりももっと小さなコミュニティで行われる選挙、小選挙区は約62%を占めるので、小選挙区で外交を主張しても票を獲得するには直結しません

要するに、選挙では、外交のような国全体の話題ではなく、よりミクロな話題(=地元に恩恵のある施策)を前面に打ち出さなければ、当選は望めません。

一方、ひとたび議員バッジをつけると、外交や立法をはじめとする、政治しかできない仕事に取り組まなければなりません。

選挙のマーケティング戦略

出所:厚生労働省 「国民生活基礎調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf

選挙の候補者は、票を稼ぐ=数が多い層の味方をするという点からいえば、所得の中央値や平均所得額を基準に主張を練る必要があります。

日本は資本主義国なのに、立憲民主党の枝野党首のように「分配なくして成長なし!みんなを幸せにする経済政策」という、いつから日本は社会主義国になったのかというスローガンが出てきます。

これは、上記グラフの所得分布図を見れば、票を集める上では正確なマーケティング戦略を取っていると言えます。

しかしながら、所属する政党から多くの候補者が当選して、首尾よく政権を獲得した瞬間、主要国との外交や世界中から資金を集めるにはどうしたら良いのか(※)という、選挙のスローガンとは全く異なる仕事が待ち受けています。

選挙で勝つには、地元を守る、選挙で勝った後は、国を守る、究極的には同じ利害となるはずですが、プロセスは全く異なる仕事をしなくてはならないことが、政治家の矛盾であり、ジレンマだと思います。

田中角栄のように、雪国に新幹線を開通することで、地元(新潟)も日本全体(=列島改造論)も理解が得られる施策を打ち出すのは容易ではありません。

私見としては、小選挙区と比例代表の比率を、国政選挙は比例代表を60~70%%にして、小選挙区の役割は県議会、市議会、町議会に委ねるといった考え方が良いのではないかと思います。

地方自治では財源がないというのであれば、寄付控除やふるさと納税をもっと柔軟に運営すれば良いのではないでしょうか?

皆さんの一票が、良い社会を創る第一歩です。

※ 金融所得課税が話題になった途端、株価が下落しました。世界の金融センターはキャピタルゲイン課税が無いこと(=株式投資や事業投資などリスクを伴う投資で得られた所得には課税しない)が原則であるのに、現行のキャピタルゲイン課税20%を更に増額すれば、兆円単位の資金が日本から逃避することは明らかです。

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