ワインの楽しみ方 シャンパン 番外編

『ドン・ペリニヨン』
誰でも聞いたことがあるくらい有名なシャンパンの銘柄です。

キリスト教ベネディクト派の修道院にドン・ペリニヨンという修道僧(お坊さん、日本人にはお坊さんがわかりやすいと思うので、以下お坊さん)がいました。ドン=師なので、位が高い、偉いお坊さんでした。
彼が29歳になった1688年から修道院で、酒庫係(セラリウス)としてワインの醸造と管理を行っていました。当時は修道院の運営費を捻出するため、多くの修道院で巡礼者たちに販売するワインの醸造が行われていたのです。
余談ですが、「必要とするものは、自ら生産すべし」というのが、ベネディクト派の教えのため、ベルギーのベネディクト派修道院では、伝統的にビールが造られます。
したがって、シャンパーニュ地区の修道院ではブドウを栽培しワインを造る事も修道士の大切な労働の一つでした。

ドン・ペリニヨンはシャンパン=泡を作ったことがクローズアップされがちですが、本当の功績はブドウをブレンドしてワインを作ることを考えたことです。

当時は自分の土地でできたブドウで、ワインを作っていましたが、ブドウは気候によって味が変わるので、当然の結果として、ワインの味が大きく変わっていました。
なぜ、去年は美味しかったのに、今年は美味しくないのか?やはり、毎年同じ味の方が良い。
では、どうすれば味の均一性を実現できるのか?
シャンパーニュ地区では、いいブドウがたくさんできるから、同じシャンパーニュ地区で違うブドウ品種を合わせたら(=ブレンドしたら)どうだろうか?
毎年、ブレンドの比率を調整したら、味を一定に保てるのではないかと考えました。
味の均一性を実現するために、考え出されたブレンドこそが、現在のシャンパン作りのベースの技術となっています。

シャンパーニュ地区は北緯49度くらいなので、稚内より更に北、サハリンあたりです。もちろん、偏西風の影響でサハリンのように寒くはありませんが、気温が低いことは事実です。気温が低い冬の時期は、ブドウ果汁の発行が樽の中で止まってしまい、翌年瓶詰めして、春になり気温が高くなると、瓶がパンパン割れてしまっていたのです。要するに瓶内発酵してしまっていたのです。

現在のシャンパンの醸造法である、瓶詰め(Tirageティラージュ)して瓶内発酵の後、一旦、栓を抜き(Degorgementデゴルジュマン)、味を調整し、最後に打栓し、針金で巻く、という手順はまさに300年前の試行錯誤の産物なのです。
詰め替えやすいコルクの発明に加え、炭酸の圧力でも割れにくい強化ガラス瓶はシャンパンを流通させる上では不可欠ですが、この2つを考案したのはイギリス人です。

ドン・ペリニヨンお坊さんは1715年に亡くなるまでのほとんどを、修道院で神に捧げるシャンパン造りの発展に人生を捧げたといわれています。シャンパンを商売という点からコルクと強化瓶を発明したイギリス人。
没後300年を経て、なお愛され続けられるシャンパンを創ったドン・ペリニヨンとイギリス商人に乾杯!!

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