ワクチン、2回目をいつ打つべきか?

新型コロナウィルス感染者数が過去最高を更新する一方、ワクチン接種は着実に進み、1回目接種者は人口の約半数まで増加しました。
英国ではワクチンが不足していた時期、まずは1回目の接種率を上げるために、メーカーが推奨する4週間から12週間に接種間隔を広げましたが、結果として、免疫反応が高まることが示唆されていました。英国では春以降デルタ型に関連する症例が増加し続けたため、5月には、2回目接種目安を8週間に変更しました。
残念ながら、日本ではデルタ変異株に対する効果を上げるためには、どのような接種方法が良いかという議論があまりされていないように思えますので、今週は、前月7月23日付のBMJ(※)のレポートを紹介します。
(当社は翻訳会社ではないので、全体の内容把握を重視して和訳していること、ご了承ください。)
原文:https://www.bmj.com/content/bmj/374/bmj.n1875.full.pdf
参考文献:https://www.pitch-study.org/PITCH_Dosing_Interval_23072021.pdf

(※)BMJ:British Medical Journalの略称。イギリスの医学誌。British Medical Associationが監修し、BMJ Groupが発行元。国際的にも権威が高く、日本でも医師であれば必ず読んでおくべき雑誌と言われています。

<以下、BMJレポート内容>

標題:Covid-19 ファイザー社の投与間隔が長いと抗体濃度が高くなることが研究で判明

Pfizer-BioNTech社のcovid-19ワクチンを2回接種する間に少なくとも6週間の間隔を空けると、中和抗体の濃度が上昇することが、英国保健社会福祉省の資金提供による研究で明らかになりました。
7月23日に発表された論文は、ファイザー社のワクチンを受けた医療従事者503人の免疫反応を調べたものです。その結果、2回目のワクチン接種後、中和抗体濃度は2回目のワクチン接種後、当初推奨されていた3~4週間の投与よりも、6~14週間の投与の方が、中和抗体濃度が高くなることがわかりました。
また、デルタ変異株については、投与期間が短くなっても良好な抗体濃度が得られたものの 投与間隔を短くした場合には良好な抗体が得られたが、投与間隔を長くした場合には2.3倍の抗体が得られたことを研究者は言及しています。

研究者は、今回の結果について、「投与間隔の延長が効果的な免疫反応を引き出す実施計画であることを示している」と述べています。
英国は、単回接種による人口カバー率を加速するため、covid-19ワクチンの投与間隔を延長することを決めました。当時、オックスフォード・アストラゼネカ社のワクチンは、投与間隔が長いほど効果的であるというエビデンスがありましたが、ファイザー社のワクチンではその効果がはっきりしませんでした。

オックスフォード大学の共同研究責任者であるSusanna Duanchie氏は、サイエンス・メディア・センターで行われた報告会において、8週間の投与間隔が “スイートスポット “であると述べました。彼女は、ファイザー社のワクチンは「どのような治療法であっても、免疫反応を引き出すことに非常に優れています。つまり、短い投与法でも長い投与法でも 投与期間が短くても長くても、抗体とT細胞の両方に良い反応が得られる」と付け加えました。

英国の5大学と国民保険サービスが共同で実施している「Protective Immunity from T cells to Covid-19 in Health workers(PITCH:医療従事者におけるT細胞からCovid-19への防御免疫)」研究でも、初回接種から4週間後に「SARS-CoV-2の中和抗体レベルが著しく低下したが、逆にスパイクタンパクに対するT細胞の反応が持続した」という結果が出ている。
Susannna Duanchie氏は、「1回目の接種後、投与間隔が長い場合、2回目の接種を待つ10週間の間に、特にデルタウイルスに対する中和抗体は減少しますが、T細胞反応はよく維持されます」と述べています。
「投与間隔を長くした場合と短くした場合を比較すると、中和抗体は2回目のワクチン接種後に約2倍高くなり、エフェクターキラー細胞を見ると、投与間隔を長くした場合には、短い投与法に比べてT細胞がわずかに低くなりました。しかし、T細胞の特徴をさらに詳しく見てみると、投与間隔を長くすると、ヘルパーT細胞や、記憶と抗体の生成を促進する長期記憶T細胞の典型的なT細胞が出現することがわかりました。」

5月と言えば、オリンピック出場予定選手ですら、1回目接種をしていない時期です。ワクチン接種を先行していた英国では1回目接種と2回目接種間隔を4週間から8週間に伸ばして、デルタ変異株への対応効果を考察していました。日本では先月7月に、地方自治体でワクチン不足が深刻な問題となり、予約をキャンセルしたケースもありました。
もし、8週間がベストなタイミングであれば、2回目接種を8週間に変更することで、①1回目接種のワクチン不足解消、②1回目接種を20~30代の若い世代まで広げることができ、結果として、新規感染者数を抑制できたのではないか?と思うと、情報、データに基づく手順決めが極めて重要であることを示した一例と言えるのではないでしょうか?

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