酷暑にはこの話題で、少しでも涼しさをお届けできたら幸いです。
フランス北部に位置するシャンパーニュ地方。
シャンパーニュ地方は、フランスのブドウ・ワイン産地の中で最北に位置し、なんと北緯は49度前後(札幌が北緯43度)です。シャンパーニュ地方で生産され、収穫方法、熟成期間、醸造方法など、厳しく定められた条件(AOC※の規定)をクリアしたものだけが「シャンパン」を名乗ることができます。
スパークリングワインはフランス国内の他の産地、世界各国でも造られていますが、シャンパーニュ地方以外でAOCの規定を遵守して造られるもの以外は「シャンパン」と呼ぶことを禁じられています。
※AOC:Appellation d’Origine Controlee (アペラシオン・ドリジヌ・コントローレ)の略称で、原産地統制名称のことです。いわゆる、偽物を排除するために作ったフランスの法律とお考えください。
1.シャンパンの選び方
年の表記があるもの:収穫年のブドウ100%で造られ、最低3年間の瓶内熟成の後出荷されます。同一収穫年のみで生産するため、数量に限りがあるうえ、出荷まで時間がかかることから、その分値段は高めになります。2000年以降の当たり年としては、2008年、2012年ですが、飲み頃という点では、2008年でもまだ飲むにはもったいないものがあります。私は、昨年ルイ・ロデレールのクリスタルという有名なシャンパンの2008年ヴィンテージを飲ませて頂く機会がありましたが、正直、飲むにはまだ少し早いなという印象でした。あと3年から5年経つと飲み頃を迎えると思いました。
NV:ラベルにNVという表記がありますが、これはノンヴィンテージという意味で、ブドウの収穫年が複数年にわたり、いわゆる、ブレンドされた状態のシャンパンです。店頭の数量も多い上、良質なものが多く、ノンヴィンテージだから質が劣るという心配は全くありません。
2.ブドウの種類と特徴
シャンパンに使用する品種は8品種が認められていますが、実際はシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3品種です。
白ブドウ
・シャルドネ:香りは柑橘系のフレッシュさが特徴です。酸度が強く、味わいに清涼感を与えてくれます。また、シャルドネを主体、もしくはシャルドネの比率が高いシャンパンは、酸がシャンパン全体をガードしてくれるので、熟成が遅く、熟成が遅い分、グレープフルーツをはじめとする果実の感覚を長期間残してくれます。
黒ブドウ
・ピノ・ノワール:香りに複雑さを与えてくれます。熟成すると、スパイス、ドライフルーツ、枯れ葉のような香りなど、複雑さを増していきます。味わいは、なめらかで、ふくよかなイメージです。
・ピノ・ムニエ:果実感が特徴で、優しい口当たりで、シャルドネとブレンドすると、爽やかな酸味を醸し出し、ピノ・ノワールとブレンドすると、なめらかでエレガントな仕上がりにするので、シャンパン界の名脇役といった存在です。
3.飲んでみよう
両極を飲んでみる。
● ブラン・ド・ブラン Blanc de Blancs
白ブドウのシャルドネ100%で造られたシャンパン。
グレープフルーツを思わせる柑橘系のフレッシュさが特徴なので、今のような酷暑の時期にはピッタリのシャンパンです。
シャンパンでなくても、ブルゴーニュ地方で造られるスパークリングワイン、クレマン・ド・ブルゴーニュ・ブラン・ド・ブランはお手頃で楽しめるブラン・ド・ブランです。
● ブラン・ド・ノワール Blanc de Noirs
黒ブドウであるピノ・ノワールとピノ・ムニエから造られたシャンパン。
シャンパン特有のフレッシュさの中に、ふくよかさや複雑な味わいがあるので、どちらかと言えば、秋から冬に合うシャンパンと言えます。
ブラン・ド・ブラン同様、シャンパンでなくても、スパークリングワインでもクレマン・ド・ブルゴーニュをはじめとするピノ・ノワールの泡を楽しめるものがたくさんありますので、是非お試しください。
4.予算とクオリティを両立させる簡単な方法
ワインにセカンドラベル、サードラベルのように看板ブランド(=ファーストラベル)で使用されないブドウを使って作るワインがあると同様、シャンパンにも似たものがあります。
今回は私のお気に入り2アイテムを紹介します。
① QUARTET ANDERSON VALLEY BRUT カルテット・アンダーソン・ヴァレー ブリュット
前述したクリスタルの造り手、ルイ・ロデレールがカリフォルニアで生産しているスパークリングワイン。渋谷の有名ワインバー&レストラン、シノワでもリストされています。
https://www.chinois.jp/shibuya/winelist/
スパークリングワインとシャンパンの違いを一言で表現すると、香りの余韻の長さです。鼻から抜ける香りの余韻が長いのがシャンパン。しかしながら、このスパークリングワインは余韻が長く、シャンパンと同じクオリティを出しています。コストコでは3,000円程度で買える、超お買い得スパークリングワインです。ちなみに、ルイ・ロデレールのシャンパン、クリスタルは約10倍の30,000円が実勢価格です。
② Delamotte ドュラモット
シャンパン愛好家で知らない人はいない、最高峰のシャンパンの造り手「サロン」は独特の哲学に基づき、ブドウの出来の良い年にだけ、シャンパンを造ります。サロンが造られなかった年のブドウは、全てこのドュラモットに使用され、醸造もサロンのチームが携わり、まさに究極のセカンドラベル、シャンパンです。
サロンの実勢価格は、10万円~ですが、ドュラモットはブレンドが6000円前後、シャルドネ100%のブラン・ド・ブランでも7,000~8,000円なので、サロンの10分の1以下で造り手の実力を味わうことができます。
5.何を合わせるか?
映画「プリティウーマン」の中で、リチャードギアがルームサービスでシャンパンと同時にいちごをオーダーするシーンを覚えている読者もいらっしゃると思います。いちごは、前述した中では、黒ブドウの比率が高いシャンパンが、より相性が良いと思います。
では、ずばり、シャンパンに万能な食材の組み合わせと言えば、私は日本が誇る夏のフルーツ、桃だと思っています。
桃には、甘味、程よい酸味に加え、芯に近い部分は苦味があり、複雑な味わいがあります。この複雑さこそ、シャンパンが引き立つ要因です。
桃とオニオンスライスのさっぱりサラダ、桃と生ハム、桃とモッツァレラチーズのカプレーゼなどに、シャンパン&スパークリングワイン、是非お試しあれ。
