イーサリアム 次世代決済通貨としての可能性

7月6日火曜、世界的な投資銀行ゴールドマン・サックスは、イーサリアムがビットコインを抜いてトップの暗号通貨として支配的なデジタル価値になる可能性があるという見解を示しました。
ゴールドマン・サックスはホームページ上で、Top of Mid(最重要事項)というレポートを掲載しており、同社リサーチ部門のアリソン・ネイサン氏が投資家、経営幹部、政策立案者にとって最重要事項であるマクロ経済現象について詳しく説明する内容となっています。

今回のイーサリアムの将来性に関する見解は、5月21日に掲載されたTop of Mindのインタビュー記事が伏線になっていると思われますので、抜粋を紹介します。

Top of Mindインタビュー記事抜粋

ゴールドマンサックス アリソン・ネイサン: あなたは以前から暗号通貨業界に関わっていましたが、2017/18年の劇的な価格上昇や崩壊など、これまでにもいろいろなことがありました。今回は何が違うのでしょうか?
Galaxy Digital Holdings CEO マイケル・ノボグラッツ:2017/2018年は、史上初の真にグローバルでリテール主導の投機的なマニアだったと思います。盲目的な旋風でした。暗号資産の時価総額は98.5%も下落しました。しかし、そのようなマニアックな状況から、教訓を得て、価値の貯蔵から分散型金融(DeFi=Decentralized Finance)、安定したコインや決済システムに至るまで、暗号通貨のさまざまな使用例を区別しようとする、より賢明な投資家層が生まれました。その結果、コミュニティはより論理的な投資プロセスを構築することができました。重要なのは、価格の低迷が、基盤となる暗号インフラへの投資の低迷につながらなかったことで、機関投資家を惹きつけるために必要なカストディやセキュリティのインフラが構築されたことです。その結果、今では機関投資家の参加が急増しています。大手銀行からPayPalやSquareまでが参加しており、これは暗号が通貨正式な投資対象になったことを示す明確なシグナルです。まだまだボラティリティが高いので、人々は出入りを繰り返すでしょう。しかし、暗号通貨がなくなることはありません。

アリソン・ネイサン:決済に変革をもたらすのはビットコインなのでしょうか?
マイケル・ノボグラッツ:いいえ。
ビットコインは1秒間に何千件ものトランザクションを処理するようには設定されていません。ダイエットコークをビットコインで買うのは、金で買うのと同じです。きっと、そうはならないでしょう。決済は他のブロックチェーン上に構築されるでしょう。
今、私がオランダの妹にお金を送ろうと思ったら、手間とコストがかかり、時間もかかります。しかし、すぐに彼女にドル建ての(USDTのような)ステーブルコインを送ることができるようになり、送金が無料になるでしょう。そのほとんどがイーサリアムのネットワーク上に構築され、イーサリアムの価格が上昇しているのはそのためです。
暗号エコシステムの3つの大きな動き(Payment決済、DeFi分散型金融※1、NFT非代替性トークン※2)は、ほとんどがイーサリアム上で構築されているので、ネットワークのように価格が上がっていくでしょう。イーサリアムを使う人が増え、イーサリアム上に構築されるものが増えれば増えるほど、最終的に価格は上昇するでしょう。

アリソン・ネイサン: (企業の株式のように)収入もなく、他の用途もないビットコインが、なぜ価値の保存に適しているのでしょうか?
マイケル・ノボグラッツ:ビットコインは、世界でも数少ない統一性のある価値を保存できます。ドルやユーロ以外では歴史上最も広く流通している資産であり、1億4千万人が何らかのビットコインを所有しています。また、金と違って保管や輸送が容易です。価値のあるものは社会的な構成要素であり、私たちがそう信じているから価値があるのです。これほどまでに短期間で成功したブランドはありません。世界はビットコインが価値の貯蔵庫であると信じることに投票したのです。

アリソン・ネイサン:価格が上昇したという理由だけで、人々はビットコインやその他の暗号を購入していませんか?
マイケル・ノボグラッツ:もちろん、それも方程式の一部です。一般的に人々はモメンタム投資家(勢いのある側にいる投資家)です。30年前にポール・チューダー・ジョーンズ(https://atomic-temporary-201654033.wpcomstaging.com/3371/)から学んだことですが、ジェフ・ベゾスやビル・ゲイツもそれを証明しています。ビットコインの普及とその背景にあるマクロ的な要因は、メガ・ブル・トレンド(=巨大な強気トレンド)です。

※1 DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)とは、既存の銀行、証券会社、取引所のような中央集権型の金融仲介業者に頼らず、ブロックチェーン上で金融取引をすること。
※2 NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ。主にデジタルアート、ゲームアイテム、音楽等の著作性を有する作品が転売や流通されても、お金が入る仕組みを作ることができることから、関連する業界で注目されているデジタル資産の形態。

6月28日(月)のコラムで紹介したポール・チューダー・ジョーンズがここでも引合いに出されたので、紹介してみました。
メガ・ブル・トレンド=巨大な強気トレンドとは、まさに先週のコラムで紹介したテクノロジーモンスターの株価のような、長期間に渡って最低でも10倍、場合によっては100倍以上の価値となるトレンドです。

私は世界最高の投資銀行であるゴールドマン・サックスが暗号資産に関するレポートを最重要事項として取り上げ、議論のテーマとしていること自体に注目しています。残念ながら、日本の金融機関は、未だに暗号資産を理解できない、いや理解したくないから、暗号資産に否定的なのか?暗号資産が普及すると送金手数料を払う人がいなくなり、銀行経営が大きなダメージを受けるからなのか?真意はわかりませんが、暗号資産に対してはネガティブな見解ばかりが目に付く気がします。 5年前に6万円だった1ビットコインは今では350万円になり、スーツ1着しか買えなかったビットコインが、今では車や高級時計を買える価値になっています。⇒客観的な事実。

当社は小体ながらも、目線は高く、また常にグローバルかつ公平な視点で、自社の事業領域であるテクノロジー、金融、ヘルスケア分野に注目していきます。読者の皆さんの中で、こんなことが知りたい、解説してもらいたいという話題があれば、是非メールでリクエストしてください。

参考までに、過去5年のイーサリアムのチャートを掲載しておきます。

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