2週間前5月10日、世界的ベストセラー「FACTFULNESSファクトフルネス」(著者ハンス・ロスリング Hans Rosling)の記述を引用して、データで見る新型コロナウィルスを掲載したところ、大変好評を頂いたので、今週はこの2週間でどのような変化があったのか、また推測できることは何かをフォローアップしたいと思います。

出典:札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門 (https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/case_vaccine.html)
グラフ1は、人口100万人あたりの新規感染者数(左縦軸)と全人口に対するワクチン部分接種率(※)のグラフです。緑線が英国、赤線が米国です。期間は2020年12月20日~2021年5月20日の半年間。
2週間前にワクチン接種率が40~50%に達した英国、米国では新規感染者数が沈静化していることを紹介しましたが、その傾向は明らかであることがわかります。
(ワクチン部分接種率:人口6,800万人の英国:50%超え、人口3.3億人の米国:約45%)
(※)部分接種:少なくとも1度は接種を受けたもの.完全接種:必要な接種回数をすべて受けたもの.

出典:札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門 (https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/case_vaccine.html)
グラフ2は日本と台湾の上記と同様のグラフです。
新型コロナウィルスでの政府や行政の対応が賞賛された台湾で、新規感染者数の人数自体は少ないものの、新規感染者数が増加傾向にあります。
下記のグラフは上記4か国の昨年2月からの新規感染者数グラフです。
グラフは、実数値より傾向を見てもらいたいので、山の形に注目してください。




(グラフ3,4,5,6の出典: https://www.worldometers.info/coronavirus/)
台湾はご存知の通り、35歳でデジタル担当閣僚となったオードリー・タン氏が天才プログラマーである長所を遺憾なく発揮し、コロナウィルス封じ込めに最も成功した国でした。また、著書、「デジタルとAIを語る」の中で、台湾はSARSの経験を活かし、日常生活における石鹸での手洗い、マスク着用、手を洗わない手で顔に触れない、を徹底したと述べていました。
日本も国民性としては似ていて、個々人は大変忠実に日常生活での衛生面や外出時のマスク着用を習慣化していると思います。
では、なぜこのような衛生面では世界トップクラスの国で新規感染者数が増えるのか?
私見としては、第1波、2波のような初期段階で変異株が少ない時期には日常生活の心がけで感染を抑えることができるが、今年に入ってからの第3波、4波のような感染力の強い変異株を抑えるには、日常生活の心がけや個人レベルの感染対策では限界があり、変異株に対してはワクチンで対抗するしか手段がないのではないか?と考えます。
日常生活の衛生面で、台湾や日本が米国、英国に比べ劣っているとは思えませんが、ワクチン接種率と新規感染者数の推移を見ると、先ほどの仮設はあながち間違ってはいないかもしれません。
日本のワクチン接種率は2週間前に比べ、約2%上昇しました。
毎日の接種人数は現在約50万人程度まで上がりましたが、菅総理が目標としている1日100万人の接種にはまだ時間がかかりそうです。
仮に人口の50%に部分接種を実行するには、
人口の約50%=6300万人-900万人(接種済)=5400万人÷50万人(1日接種人数)=所要日数108日。今日から108日後の9月9日にようやく部分接種率50%を達成できる計算です。
本日現在、日本にはワクチンは届いたものの、接種のフローが定まらず、1日あたりの接種が進んでいません。
• 昨年6月4日、国立研究開発法人科学技術振興機構が「新型コロナウイルス感染症に関する世界の注目すべき研究開発動向」について最初の発表をしているので、2021年はワクチン接種が開始されることは予見できていたはず。
(https://www.jst.go.jp/crds/covid-19/pdf/crds20200604.pdf)
• 日本の全人口約1億2600万人にワクチン接種するには、1日100~200万人に注射をする必要がある。一方、厚生労働省が「新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種のための筋肉内注射の歯科医師による実施について」の事務連絡を通達したのは、先月2021年4月26日です。
(https://www.jst.go.jp/crds/covid-19/pdf/crds20200604.pdf)
• 歯科医師のワクチン注射が医師法に違反するとの意見が多かったと聞きますが、そもそも法律は誰のためにあるのか?
まだまだ、数え上げればきりがないほど疑問点はありますが、私たち経営者に対する教訓としては、「常に先を見据えて行動しろ」ということだと思います。今後もこのコラムでは、外れても良いから先を見ることを大切に、読者の皆さんに少しでも響くことを発信していきたいと思います。
