データで見る新型コロナウィルス

2017年に他界した世界的ベストセラー「FACTFULNESSファクトフルネス」(初版2018年4月)の著者ハンス・ロスリング (Hans Rosling)はその著書の中で、一番心配している5つのリスクを挙げています。

  1. 感染症の世界的流行
  2. 金融危機
  3. 世界大戦
  4. 地球温暖化
  5. 極度の貧困

彼は医師、教育者であると同時に、世界中を飛び回り、感染症や疾病の原因を研究し続けた研究者でしたから、リスクの最初に感染症の世界的流行を挙げたのかもしれません。一方、彼は亡くなる直前まであらゆるデータを客観的に分析したプロフェッショナルだったからこそ、自然に、まるで新型コロナウィルスを予見するかのように、感染症の世界的流行をリスクの1番に挙げることができたのかもしれません。

今回は「FACTFULNESSファクトフルネス」の副題となっている“データを基に世界を正しく見る習慣”を、新型コロナウィルスを例に実践してみたいと思います。


グラフ1

出典:札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門

グラフ1は、人口100万人あたりの新規感染者数(左縦軸)と全人口に対するワクチン部分接種率(※)のグラフです。緑線が英国、赤線が米国です。期間は2020年12月7日~2021年5月7日の半年間。
ワクチン接種率が上がると、新規感染者数が大幅に減少していることがわかります。

(ワクチン部分接種率:人口6,800万人の英国:50%超え、人口3.3億人の米国:約45%)

(※)部分接種:少なくとも1度は接種を受けたもの.完全接種:必要な接種回数をすべて受けたもの.

グラフ2

出典:札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門

グラフ2は日本の人口100万人あたりの新規感染者数(左縦軸)と全人口に対するワクチン部分接種率です。期間はグラフ1同様、2020年12月7日~2021年5月7日の半年間。
日本は人口100万人あたりの延べ感染者数は4,817人、世界220か国中141位。同米国は103,889人で9位、英国は64,879人で44位に比べると、感染者数自体はかなり少ないと言えます。

(出所:https://www.worldometers.info/coronavirus/

しかしながら、緊急事態宣言後もなかなか新規感染者数が減らないことは、ワクチン接種率が人口の約2%台に留まっていることが一因かもしれません。

日本が欧米諸国に比べ、100万人あたりの感染者数が少なかった要因、いわゆる日本の長所としては、個々人で程度の差こそあれ、生活習慣が清潔である点だと思います。

  • 家に入る時は、靴を脱ぐ
  • 水道水が良質なので、手洗い、うがいをしやすい
  • 花粉症やインフルエンザ対策で、マスクに慣れている

一方、今後、更に新規感染者数を抑える課題として、
・ワクチン接種率30%、1.26億人×30%=約3800万人、同50%=約6300万人にいかに早く接種するか?

また、同時に命を救うという観点から、重症感染者に対する課題として、
・医師、看護師、病床、医療機器をどう確保するか?

がまず大きな課題として挙げられます。

4月11日、野党の党首が「客観的に見て、日本が先進国の中で圧倒的に後手に回り、失敗したことは明確で、政府は反省すべきだ」と述べていましたが、今は犯人捜しをしている時ではないのではないでしょうか?

今こそ、ハンス・ロスリングが著書「FACTFULNESS」で説いていることを実践すべきなのです。

“誰かを攻めることに気が向くと、学びが止まる。
問題解決から遠のいてしまったり、また、同じ失敗をしでかしたりすることになる。
誰かが悪いと攻めることで、複雑な真実から目をそらし、正しいことに力を注げなくなってしまう。
世界の深刻な問題を理解するためには、問題を引き起こすシステムを見直さないといけない。

犯人捜しをしている場合ではない。” 
”もし本当に世界を変えたいのなら、肝に銘じておこう。犯人捜し本能は役に立たないと”

当社は、偶然にも医療DXシステムを開発する上で、医療現場のデータには不備が多く、二次利用できないデータが多いことを知りました。
当社の医療DXシステムAPOLLOはデータ不備やデータの整合性を検証する機能があります。当社のAPOLLOは医療現場、病院の利害関係者に正しいデータを提供することで、ハンス・ロスリングが私たちに遺してくれたFACTFULNESSを実践します。

追伸
今回のコラム掲載にあたり、札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門様にグラフデータ掲載を快諾頂きましたこと、心から感謝申し上げます。

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