2021テクノロジーが変えたこと②

テクノロジーがもたらす変化

3月8日(月)のコラムでは、テクノロジーが変えたことを、小売業の代表である百貨店とネット通販最大手のamazonの売上高推移とメディアとインターネットの広告費の推移を例にとって、解説しました。言うまでもなく、この20年でテクノロジーが変えたことは、業界の主役が一気に変わってしまったことです。また、業界という視点で見ると、主に商業分野が中心でした。確かに、ネット証券(※)やネットバンキングも普及した業界ですが、主役が一気に変わるほどのインパクトはありませんでした。例えば、ネットバンキングのユーザーは既に保有していた口座をネットバンキングというツールに変えただけで、三菱UFJ銀行に口座を持つユーザーは三菱東京UFJ銀行のネットバンキング、三井住友銀行に口座を持つユーザーは三井住友銀行のネットバンキングを利用するケースが多いからです。また、最初から本人確認書類を提出するのが面倒というユーザーも多いことと思われます。

※ネット証券専業会社は、売買手数料の安さから口座数を伸ばしました。SBI証券、楽天証券、マネックス証券等が代表的な会社です。

しかし、Bitcoinを始めとする暗号通貨(以下代表的な暗号通貨である「Bitcoin」を用います)がにわかに決済で利用できる領域が広がりつつあります。もちろん、既存銀行の決済額に比べれば、比べものにならないほど小さなシェアですが、潜在的な魅力を持つ通貨であることは間違いありません。次にテクノロジーが変えること、それは様々な規制を受けながら、また同時にその規制に守られながら、大枠としては大きな変化なく続けてきた金融業界であることは間違いありません。
Bitcoinに馴染みがない方のために、よくあるBitcoinに関する質問を中心にまとめたいと思います。Bitcoinについては、既にインターネット上の情報や書籍でも優良なコンテンツが数多くありますので、今回は私が頻繁に頂く質問を中心に説明します。

1. なぜ通貨として成り立つのか?

通貨に価値があるとは、価値の保存や交換が可能であること、言い換えれば、時間が経過しても、大きく価値が下がらず、ある程度相対的な価値を維持できることを意味します。日本のように比較的安定した通貨に住む日本人にはピンとこない話かもしれませんが、通貨危機やインフレ率に高い国に住む人にとっては、どうでしょうか?例えば、今日は100円で買えたパンが来週は200円払わないと買えないという状況になったら、読者の皆さんはどうしますか?Bitcoinの歴史もまさに同様の需要から発展した経緯があります。(詳細は様々なサイトや書籍で紹介されていますので、“キプロス金融危機” “Bitcoin”のワードで検索してみてください。

  1. 米ドル、ユーロ、中国元、日本円に代表される法定通貨とどう違うのか?法定通貨は政府が発行する通貨であり、資産の裏付けはなく、個人や会社がその通貨を受け入れる相手を信用することで成り立っています。いやいや、まだBitcoinに比べれば国があるじゃないかという意見もあるでしょう。しかしながら、国の財政や、金融的な価値を明確に把握することはほぼ不可能です。悪い言い方をすれば、究極のドンブリ勘定が国の財務諸表かもしれません。最終的には前述のようにどの国の通貨も信用で成り立っているだけなのです。よって、Bitcoinを信用する人が増えれば十分通貨として機能するので、明確な資産背景がないという点では、法定通貨、Bitcoinともに大差はありません。

2. Bitcoinは円やドルと同じように決済に使えるようになるのか?

答えはYESです。理由としては、

  • 少額決済ができるか?
    円は現在では1円が最小単位です。米ドルは1ドルの100分の1である1セントが最小単位です。一方、Bitcoinは小数点8桁が最小単位なので、1Bitcoin (BTC)が1億円になった時、初めて最小単位が1円になります。今日現在は約600万円なので、6銭が最小単位となります。まさに江戸時代にタイプスリップしたような通貨単位なので、流通に必要な少額決済には問題はありません。
  • 信憑性
    最大のセールスポイントは、ブロックチェーン技術を採用していることです。ブロックチェーンとは、分散型の台帳システムで、一言で言えば、精巧な相互チェックと検証のシステムです。
  • 送金
    スマホ、PCでネットバンキングや銀行口座に相当するウォレットを開設します。1つのウォレットには銀行の口座番号に相当する34文字(桁)の英数字が付与されます。ウォレットその他のツールのおかげで、ビットコインは、取引の規模に関わらず、非常に低いコストで数分以内に当事者間で送金することができます。現行の国際送金システムは1980年代に原型を確立したSWIFT(国際銀行間通信協会:Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunicationの略称)がベースで海外送金の経験がある方はわかりますが、送金額にかかわらず、銀行で海外送金を依頼すると最低でも数千円、場合によっては1万円近くの手数料がかかります。まさにこの手数料こそが、Bitcoinに代表されるテクノロジー通貨が金融業界を揺るがすターゲットになることは間違いありません。

3. なぜ価格が急騰しているのか?

価値を検証する方法は貨幣流通量に占める割合(マーケットシェア)から逆算する方法があり、海外のアナリストが詳細に調査しています。しかしながら、比較的理解しやすいのが、Facebookに代表されるSNSの普及の数学的根拠となっている指数関数です。暗号通貨アナリストのティモシー・ピーターソン(Timothy Peterson)の考え方を紹介します。ピーターソンの主張の中核にあるのが「メトカーフの法則」です。ネットワーク効果に焦点を当てたもので、ネットワーク上にユーザーが増えれば増えるほど、その価値も上がるという理論です。たとえば、あなたがFacebookを利用する唯一のユーザーであれば、そのサービスは有益ではありませんが、ユーザーが何十億といれば、きわめて有益となります。(これこそがFacebookの広告収入の源です)前述したウォレット数に着目すると、2011年12月末段階のウォレット数はわずか369件で、価格は約2ドルでした。その後、2017年になるとウォレット数は約2000万件に増え、価格は数千ドルまで上昇。そして現在、ウォレット数は6300万件(※)で、価格は約6万ドルです。

世界のブロックチェーンウォレットユーザー数

https://www.statista.com/statistics/647374/worldwide-blockchain-wallet-users/

これは3月1日のコラムで、株価上昇に要因の一つとして、オンライン証券の口座数増加が寄与していると解説しましたが、まさに世界規模でこの現象が起こっているのがBitcoinの価格上昇と言えます。若干複雑な解説になりましたが、Bitcoinを理解して頂くとともに、暗号通貨のウォレットを開設してみようと思うきっかけになれば幸いです。

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