テクノロジーがもたらすメリット
先週のコラムでは、今後10年、もしくは20年、テクノロジーは何を変えていくのか?この点を次週解説したいと思います。と書きましたが、その前段としてテクノロジーがもたらすメリットを今週解説し、次週、今後10年、もしくは20年、テクノロジーは何を変えていくのか?を考察したいと思います。
世界最大級のコンサルティング会社アクセンチュアは2021年2月、「Technology Vision 2021」というレポートを発表しました。レポートの冒頭にはこのような記述がありました。
最近の調査では、デジタル・リーダー(技術革新をリードする上位10%の企業)は、他の企業に比べて2〜3倍の収益成長を達成していることが明らかになりました。デジタル・リーダー(技術革新をリードする上位10%の企業)は、競合他社と比較して2~3倍の収益成長を達成していることがわかりました。アクセンチュアではこれを “Digital Achievement Gap “(デジタル業績格差とでも訳しましょうか)と呼んでいます。
https://www.accenture.com/us-en/insights/technology/technology-trends-2021
高収益ビジネスモデル
なぜ、GAFAM(Google, Amazon, Facebook, Apple, Microsoft)に代表されるテクノロジーカンパニーは高収益体質なのか?私もMicrosoft Officeが普及し始めた2000年前後は、Microsoftは一旦開発したソフトをひたすらCDに書き込み(もちろんロボットが書き込みします)、売るだけなので、売れば売るほど、原価はCD1枚の原価に近づくので、これは凄いビジネスモデルだと感心しました。
2000年のMicrosoft年間売上高は2.2兆円あり、会社の原価、販売管理費を差し引いた営業利益は約1兆円、更に税引き後最終利益は約9000億円あり、率で計算すると、営業利益率48%、最終利益率41%という会社でした。兆円単位の売上がある会社でこの利益率の凄まじさに驚いた記憶があります。2020年、マイクロソフトは営業利益率37%、最終利益率31%と20年前から利益率は低下したものの、売上高は14兆円を超え、20年前の7倍近くにしているので、プラットフォーマーと言われるテクノロジーカンパニーの利益率は他の産業に比べ突出して高いと言えます。
なぜ高い利益率をたたき出せるのか?
私はこの一つの答えは生産性だと思っています。私の父はメーカー勤務のサラリーマンだったので、私には金融業界へ進むことを勧めました。理由について、父はこのように説明しました。「工場は人とラインが働くので、どうしても休む時間が必要だ。でも、お金は寝ている間も金利を稼ぎ、また、世界中為替市場を駆け巡ってお金を稼いでいる。その差が大きい」と。
銀行は超低金利政策の中、金利収入(総資金利ザヤ)が減少して、金利を稼ぐ機会が減り、収益が減少しました。
では、テクノロジーカンパニーはどうでしょうか?先々週、解説した百貨店とamazonはまさに、働く時間が圧倒的に違います。人は休む必要があるため、夜間に開店している百貨店はありません。まして時短営業の昨今は午前10時に開店し、19時か20時には閉店します。一方、amazonはどうでしょうか?サーバー、AI、システムが24時間365日働き続けます。サーバー、ソフトウェア、システムが動く電気代を払えば、休みなく働き、残業代や休日を要求されることはありません。(もちろん、物流現場で働く人たちは休む必要がありますが)テクノロジーカンパニーは世界中で24時間365日休むことなく働くシステムを構築したからこそ、飛躍的に生産性を上げ、高収益体質を生んだと言えるでしょう。
では、DXが遅れていると言われる医療現場はどうでしょうか?もちろん、医療サービスはバーチャルではなく、実務は全て人が動いて始めて成り立つサービスであることは疑う余地がありません。しかしながら、医療現場においても、システム化できる部分は多く残されています。例えば、病院内のバックヤード(物品、倉庫管理)です。医療材料にはコードが付されているので、自動管理できます。(いわゆるSPDシステム)薬剤も同様です。人事管理も同様に、勤怠管理ソフトは、シフト管理だけではなく、給与形態が異なる細かい給与計算までしてくれます。また、厚生労働省へ提出する診療情報データを利用すれば、集計作業をシステム化し、医業収入やコスト分を、寝ている間にシステムに分析してもらうこともできます。
自動化による、高収益体質を目指す!
システムやソフトウェアはPCやサーバーが動くだけの電気を与えれば、忠実に働いてくれます。
コロナでクラウド、システム、ソフトウェアの重要性が一層増した今だからこそ、どれだけシステム化しているか?が高収益と低収益の分かれ道になることだけは間違いありません。
コロナ、テクノロジーというキーワードをもとに、自動化、システム化できる部分はないかを今一度、検証して、
高収益体質を目指してはいかがでしょうか?
