コロナとDXを考える②

DX(デジタルトランスフォーメーション)

DXのあり方について

先週12日金曜日、新型コロナウィルス用の米国製薬大手ファイザー製のワクチンが航空便で日本に到着した。ワクチンを巡っては、グローバル化や国際協調とは全くかけ離れた様相を呈しています。欧州連合(EU)は、英国製薬大手アストラゼネカがEUへの大幅な供給減を発表したことで、同社が自国英国への供給を優先したと批判し、報復として、EU加盟国である北アイルランドに対し、ワクチンが北アイルランドを経由して英国へ入らないようにするため離脱(Brexit)協定の緊急条項を発動しました。(北アイルランドは歴史的な国境問題から、英国・EU双方の関税の二重運用圏と定義された)
当然、英国と北アイルランドはこの緊急条項発動に反発し、結果として、ワクチンを巡って、国家同士のワクチン争奪戦が勃発し、グローバル化とは逆のナショナリズム(国家主義・民族主義)強まっています。

国家間をワクチンが流通する物理的な水平展開の難しさが浮き彫りになる一方、今週は、私個人、読者の皆さんが個人として、どのような問題があり、どのような解決の糸口が考えられるのか?を日本国内を前提に考えてみたいと思います。

先週のコラムで、各個人がカルテを持ち歩けないことの弊害について触れました。2003年5月、個人情報保護法が成立し、カルテ開示は医療機関の法律上の義務となりました。ただし、カルテは開示請求をする必要があるので、実際に医療機関に開示請求をしたことがある人は少ないのが実情ですし、個人で自分のカルテをお持ちの方はほとんどいないのではないでしょうか?これは、個人が自分を知ることができないばかりか、医療機関も初診患者の病歴や生活習慣を知る方法がないので大きな問題と言えるでしょう。

では、ここで10年後を想像してみまましょう。テクノロジーの進化は留まることはなく、日々進化する一方です。デジタル化が遅れた医療業界は見違えるほど、デジタルトランスフォーメーションが進み、今では、過去の診察、検査、画像診断、投薬、注射、手術、麻酔、放射線治療、病理診断等、あらゆるデータを”iDH“(仮称:i=私、D=Diagnosis診断 H=History履歴)というアプリで見ることができます。またスマートウォッチやリング(指輪)スタイルのウェアラブル端末のデータは、カルテとともに、”今、この時“の健康状態を知る上では欠かせないツールになり、初診でウェアラブル端末のデータを提出すると、初診料値引きの特典まで付いてきます。

ここで、2021年2月15日時点、各個人の垂直方向、すなわち過去から現在に至る身体の状態をどのように把握するか?という課題に対しては、前述のようなウェアラブル端末が有効であることは間違いないでしょう。もちろん、これらのサービスは、今現在、医療機関で利用できるレベルではありません。しかしながら、皆さんもスマホのカメラや使っているアプリで経験したように、サービスは日々進化しています。この進化の延長線上を考えると、スマートウォッチをはじめとするウェアラブル端末が医療の入口情報を担うことは十分考えられます。

昨年11月、Googleがウェアラブル端末メーカーFitbitを21億ドル(約2100億円)で買収することを発表し、先月買収が完了しました。
Googleのデバイス・ハードウェア部門Senior Vice Presidentであるリック・オスターロー氏は次のようにコメントしています。

“テクノロジーは、必要なときにいつでも一日中あなたをサポートしてくれます。スマートウォッチやフィットネストラッカー(フィットネスの追跡装置)のようなウェアラブルデバイスはまさにそれを実現してくれます。

Fitbitは業界の真のパイオニアであり、魅力的な製品、体験、そしてユーザーの活気あるコミュニティを生み出してきました。Fitbitの専門家チームと緊密に連携し、最高のAI、ソフトウェア、ハードウェアを結集することで、ウェアラブルのイノベーションに拍車をかけ、世界中のより多くの人々に利益をもたらす製品を構築することができます。

Googleは、人々が知識、成功、健康、幸福感を高めるのに役立つツールの創造を目指しています。この目標は、Fitbitが長年にわたり注力してきたウェルネスと、人々がより健康的でアクティブな生活を送れるよう支援することと密接に一致しています“

私は1月26日のコラムで、大型のM&Aには将来を暗示するメッセージがあることをお伝えしましたが、今医療、ヘルスケアの分野へ、テクノロジー業界のモンスターが動き始めたと言えるでしょう。また、どんな規制も、消費者の支持や便利さには勝てないことも付け加えておきます。
次週は、医療・ヘルスケア業界における現在と未来という時間軸の中で、当社がどのような役割を果たすか?コラムでは初めてとなりますが、医療機関の内部情報の整理という観点から当社のプロダクトを紹介したいと思います。

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