ワインバー&レストランの名店、渋谷シノワさんのご協力のもと、フードメニューにどんなワインを合わせていくと楽しめるかを、私の独断と偏見で解説したいと思います。
前提としては、4名の食事会で、前菜、メイン、お食事、デザートというコース仕立てを想定しました。お食事以降、デザートチーズは、1回のコラムでは書ききれなくなるので、本コラムではメインまでとして、お食事、デザート、チーズに関しては次回以降に解説しますので、お楽しみに。
さあ、着席してメニューがきました。
まず、前菜からメインへのつなぎで計4品、少しずつ取り分けるので、3~4名いれば、十分注文できる量なので、ご安心ください。
フードメニューで意識したいのは、季節感ですが、一流のシェフは、皆さん季節に関して非常に高い感度を持っていらっしゃるので、是非、季節の料理と定番を上手く組み合わせて、オーダーすることを心掛けましょう。
• 山口産白イカとさや付き豆 グレープフルーツのハーブマリネ
このメニューは食べたことがありませんが、白いかのコリコリした食感と、噛むと口に広がるイカの甘さと、豆とハーブでイカの白さに緑を添えて、美しく仕上げた一品でしょう。また、ワイン(シャンペン)を選ぶ上での、ポイントはグレープフルーツです。グレープフルーツのニュアンスをイメージしましょう。
• 本日の野菜料理
本日の野菜料理は通常3品ほどあるので、上記の前菜の流れで、適したものをソムリエさんに推薦してもらうと良いと思います。
私が選んだシャンペン
⇒Henriot Blanc de Blancs Brut , Reims
アンリオ・ブラン・ド・ブラン・ブリュット (ランス)
夏にふさわしく、かつグレープフルーツのニュアンスのあるシャンペンを選びました。
ブラン・ド・ブラン Blanc de Blancs=白ブドウのシャルドネ100%で造られたシャンパン。
グレープフルーツを思わせる柑橘系のフレッシュさが特徴なので、グレープフルーツのマリネにはピッタリで、暑い時期には最適なシャンペンです。
また、今は桃の季節です。
桃とシャンペンは抜群の相性なので、是非お試しください。
• 山形産三元豚の田舎風パテ
シノワの定番料理。豚のパテは豚肉の赤身、バラ肉のような脂の部分、更にエシャロット、ニンニク、ブレンドしたスパイスを使う、なかなか家庭では作れない1品なので、是非、オーダーしてみてください。シノワのパテは、フォアグラも上手くブレンドされているので、ワイン通にはたまらい1品です。
• フランス産フォアグラとマンゴーのソテー アカシア蜂蜜ソース
酸味のある前菜からスタートしましたので、メインの前に口直しを含めて、少し甘味のある前菜を選びました。フォアグラはフルーツとの相性が抜群の上、蜂蜜のソースが、濃厚なフォアグラとフレッシュなマンゴーを上手く繋いでくれる1品です。
お肉とフォアグラなら、何となく赤ワインを選びがちなところですが、シノワの真骨頂である、白ワインの充実さを思う存分発揮できるワインを選びました。
⇒2018 Pinot Gris Rimelsberg , M.Tempe
ピノ・グリ・ライムルスベルグ (マルク・テンペ)
白ワインといっても、爽やかな、サラッとした白ワインではなく、生産者、マルク・テンペのピノグリは、華やかさの中に、蜂蜜や熟したプラムやマンゴーの複雑なニュアンスが特徴のしっかりとした質感のあるワインです。テンペ氏は、化学肥料や農薬をいっさい使わない(=オーガニック)
だけでなく、更にその上のレベルである「土壌のエネルギーと自然界に存在する要素の力を引き上げ、ブドウの生命力を高める」“ビオディナミ(Biodynamie)”という生産方法を、他の生産者に先駆けて、1996年から取り入れている生産者です。
普段、酸味がしっかりとあるキリっとした白ワインを飲まれている方には、”少し甘いな”
と感じるかもしれません。一方、普段ワインをあまり飲んでいない方や、少しお酒は苦手だと考えている方にとっては、今まで出会ったことがないワインとなることは間違いありません。
• オーストラリア産仔羊と新玉ねぎのロティ レモングラス風味
子羊とは、生後12か月未満の羊で、オーストラリア産の子羊は、半年~10か月程度、成長させたものです。当然子羊は、生後1年以上の羊肉に比べて、臭みがなく、舌触りが滑らかで、クリーミーな味わいが特徴です。
ロティ=オーブン焼きなので、しっかりと旨みを閉じ込めた1品だと思います。
⇒ これも食べたことがないので、あくまでも想像です(笑)
子羊の産地がオーストラリアということで、オーストラリアから赤ワインを選びました。
2017 Cullen Cabernet Merlot , Margaret River
カレン・カベルネ・メルロー (マーガレット・リヴァー)
オーストラリアの南西の端、インド洋に面した地域、マーガレット・リバーは、オーストラリアを代表する銘醸地のひとつで、オーストラリア屈指のプレミアムワイン産地です。エレガントな果実味を持つ極めて洗練されたスタイルであるため、オーストラリアの南東地域の果実が強い、南半球独特のフルーティーなワインというよりは、フランスのボルドーの高級ワインといったイメージのワインです。このワインは、カベルネソービニオンにメルローがブレンドされ、タンニンと程よい酸を感じる、マーガレット・リヴァーの良さが凝縮したワインです。もちろん、オーストラリア産の子羊との相性は抜群のはずです。子羊は肉自体に臭みが少なく、クリーミーな味わいなので、カベルネソービニオン100%ですと、若干タンニンが強すぎる感じがします。しかしこのワインのように、カベルネソービニオンに20%前後メルローがブレンドされることで、タンニンが少し抑えられ、ブルーベリーやブラックベリーなどのベリー系のニュアンスが強くなり、柔らかい、優しいスパイス感も相まって、子羊の味わいを最大限に活かしてくれること間違いありません。
ここまで、いかがでしたでしょうか?
料理とワインの組み合わせは無限にありますが、読者の皆様が、何をポイントにワインを選べば良いかの参考になれば幸いです。
次回はお食事以降、デザート、チーズとワインの組み合わせについて、解説したいと思います。
