2021ファイナンス解説:景気が悪いのに株価が上がるわけ

最近、このような質問を頂くことが多いので、本日は景気が悪いのに、株価が上がるわけについて説明したいと思います。

ファイナンス解説

先ずは「実態経済」と「株式市場」の定義から入ります。

実態経済(以下「経済」)と株式市場(以下「市場」)に相関性がないことを理解するには、経済システムと市場システムを定義するのがわかりやすいので、簡単に経済と市場の2つを定義したいと思います。

経済とは、産業、商業、金融が組織化されたシステムのことです。産業=モノやサービスを作り、商業=モノやサービスを流通させ、販売し、金融=モノやサービスを作り、売る対価としてお金を得る、または逆に支払うといったフローです。経済の健全性は、雇用と生産の伸びによって測定されます。また、日本の経済システムは、公共投資を含む政府の関与と社会保障などの社会主義的な政策が混在した資本主義的システムと考えられています。

一方、市場とは、株式やその他の金融商品が売買される公開市場のことを指します。株式は、企業の所有権の一部の株式を表しています。市場は、日経平均株価(※1)やTOPIX(※2)に代表される指標で示されます。

※1
日本経済新聞社が、東京証券取引所一部に上場する約2,000銘柄のうちから、市場流動性(売買の活発さや安定度)の高い225銘柄を選定し
その株価をもとに算出する指数です。


※2
1868年1月4日の東証1部の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化したものです。時価総額は、加重平均で計算されるため
会社の規模を反映した指数となります。

要約すると、経済と株式市場は、関連しているとはいえ同じものではありません。

これは会社の社数からも明らかです。中小企業庁が発表している企業数は約360万社(2016年6月末時点)です。一方、株価の指標で社数が多いTOPIXでも約2000社です。割合は実に0.056%です。

では、経済と市場に相関性がないのであれば、株価が下がるという可能性だってあるはずなのに、なぜコロナ禍の昨今、株価は上がり続け、先月15日には約30年6カ月ぶりに30,000円の大台を突破したのか?という疑問がわいてきます。その要因を国際金融、投資利回り、日々の私たちの生活という3点から説明したいと思います。

イールドスプレッド=長期金利-株式益利回り
・長期金利:10年国債 0.15%

https://www.bloomberg.co.jp/markets/rates-bonds


・株式益利回り:一株当たり利益÷株価 4.18%
https://www.nikkei.com/markets/kabu/japanidx/

本日のイールドスプレッド:0.15-4.18=-4.03
マイナス幅が大きいほど、株式投資の方が有利になりますが、何%以上かい離するとどちらかが有利という水準があるわけではありませんが、
日銀や米国の中央銀行による超低金利政策が株高をもたらしていることは間違いありません。
歴史的な低金利が株式市場への投資を促しているのは、国債や社債のような固定利率投資ではごくわずかなリターンしか得られないからです。

※3
米国のフィンテック企業。手数料なしで株式売買をできることが特徴。ゲーム感覚で株式売買ができることから若者に人気だが、バレッジ取引で多額の損失を出した学生が自殺するなど、投資家に対するリスク説明が不十分であることなどが指摘され、現在は米国金融当局から厳しく監視されている。

株式投資の機会は今なのかもしれません。

コロナ禍に中での株高は様々な要因があり、専門的に見れば今回解説したポイントでは十分な説明ではありません。
しかしながら、まず理解の入口として、中央銀行による市場への大量資金供給+超低金利による金利商品の魅力減退+生活スタイルの変化が株高の要因と解説しました。

当面は、この3つの要因は続く公算が大きいので、株式投資に経験がない方も、おうち時間を活用して、
まずは、少額で実際に株式投資を始めてみてはいかがでしょうか?

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