コロナ対策から行動の自由と経済活動の正常化へ

国内21都道府県で2年前と大差がない、蔓延(まんえん)防止等重点措置が適用されていますが、海外では行動の自由と経済活動の正常化の動きが加速しています。

グラフ:縦軸:人口100万人あたり新規感染者数
    横軸:人口100人あたりワクチン追加接種回数=右に伸びるほど接種率が高い

(出所:札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門)
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/case_vaccine.html?d=2

<イギリス>

1月31日の本コラムで紹介した通り、1月27日から新型コロナウイルスの検査結果やワクチン接種を証明する「コロナパス」を提示しなくてもイベント会場、人が多く集まる場所に入場できるようになり、公共の場でマスクを着用する必要もなくました。
更に、ボリス・ジョンソン首相は、2月下旬からはコロナ陽性者の自主隔離の法的義務も撤廃にすると発言し、正常化を更に加速する動きとなっています。
イギリス国民医療制度(NHS)は今回の規制撤廃について、科学的根拠に基づく措置だと強調しています。

<ドイツ>

ドイツでは、多くのヨーロッパ諸国よりも数週間遅れてオミクロンの波が始まったため、オラフ・ショルツ首相は水曜日に16の州の責任者と協議し、コロナウイルスの制限を解除する方法を検討しました。
昨年12月6日に本コラムで紹介した現保健省大臣のカール・ラウターバッハ(Karl Lauterbach)氏は15日火曜日に、「我々はオミクロン波のピークを過ぎており、1ヶ月前に私が予測した日とほぼ同じである」と述べ、制限を「適度に緩める」ことが可能であるとした。
段階的な緩和の内容として、
第1段階:小売店入店時にワクチン接種証明や陰性証明を求める措置などを近く撤廃。
第2段階:3月4日~飲食店や大規模イベントなどでの規制も緩和。
第3段階:3月20日~屋内や公共交通機関利用時のマスク着用義務を除き、規制をほぼ解除。

<米国>

米国の1週間平均の1日あたりの感染者数は、オミクロン株拡散が最高潮だった1月14日に80万6795人に達した後、急激に減少。約1カ月後、先週2月15日の感染者数は2週間前に比べ67%減少。入院患者は2週間で38%減少し、死者は12%減少の2328人。
このように、コロナの感染者減少傾向が明確になったことで、防疫指針の緩和も早まりつつあります。米国疾病予防管理センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長は2月15日のコロナに関する報告で「状況は正しい方向へと進んでいる」とし、コロナ感染者数の趨勢だけでなく、病院の余力なども考慮して、近いうちに新たな指針を発表すると述べました。
ニューヨーク州では昨年12月から緊急感染対策として屋内でのマスク着用が義務付けられてきましたが、ホークル州知事は2月9日、義務化の期限を延長せず、10日以降は各自の選択に委ねるとの方針を明らかにした。ただし公立学校については、学齢期の子供のワクチン接種率が低いことから義務化解除は見送られています。
カリフォルニアのニューサム州知事も感染者数がピーク時より65%減少したとして、屋内での着用義務を2月15日以降は更新しないと発表しました。

先週18日金曜、スイスのビジネスパートナーと電話会議した際、スイスでは17日木曜日から、陽性反応が出てから5日間の自己隔離義務と、公共交通機関や医療機関でのマスク着用義務だけが残りますが、基本的にはコロナの規制はほぼ撤廃されたと言っていました。

命を守ることを第一として、コロナ対策を継続することは重要ですが、コロナゼロリスクを目指しては、反動や弊害で出ているのも事実です。多くの飲食店の閉鎖によって、飲食店を中心とするサービス業における雇用、アルバイト機会は減少しています。
一般企業における従業員は、在宅勤務により、残業がなくなったことによる実質給与額減少=可処分所得の減少した人が多いと聞いています。
また、私の知人の鍼灸師の先生は「在宅勤務により身体を動かさなくなったため、ギックリ腰や体調不良の患者さんが増えている」と言っていました。

マスク着用、黙食、飲酒を中心とした行動制限など、短期間であれば、大きな影響はないかもしれませんが、大阪クリニック放火殺人事件、東大共通テスト会場での刺傷事件は、精神的に追い詰められ、コロナ対策で行動の自由が奪われたことと関係ないのか?それとも多少なりとも影響があったのか?事件の原因究明の中で、精神面の原因究明も期待したいところです。

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